2023.08.01更新

分散コンピューティングとは?メリット・デメリットや活用事例を紹介

分散コンピューティングとは、宇宙生物学や暗号解読などの難解な計算処理を、ネットワークを介し、複数のコンピューターの力で行う方法をいいます。

現在も分散コンピューティングを活用しているプロジェクトは複数稼働しています。

ここでは、分散コンピューティングの概要、メリット・デメリット、活用例などを紹介します。

記事を読むことで分散コンピューティングに関する理解が深まるでしょう。

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分散コンピューティングとは?

分散コンピューティングとは、ネットワークを介して通信を行いながら、複数のコンピューターで同時並行的に処理を行う方法です。

処理を取りまとめるコンピューターが、処理を実行するコンピューターに指示を出して演算処理を行います。

分散コンピューティングが登場するまでは集中型コンピューターが主流でした。

集中型コンピューターでは全ての処理を1台のコンピューターで行います。

集中型コンピューターの場合、1台のコンピューターに負荷が集中するため、トラブルが発生しやすいことがあります。

また、故障した場合は復旧までに時間がかかるというデメリットもありました。

しかし、分散コンピューティングでは、複数のコンピューターに負荷を分散させることができます。

また、1台が故障してもシステム全体がダウンすることはなく被害は局所的です。

また、余っているCPUなどのコンピューターリソースを用いるため、プロジェクトにかかる資金を大きく削減することもできます。

分散型コンピューティングの形態には、垂直型と水平型があります。

垂直型は大型、中型、小型のコンピューターを階層ごとに配置します。

クライアントサーバーシステムなどが垂直型にあたります。

水平型は同じ役割のコンピューターを同じ階層に配置する方式です。

ロードバランサを用いてWebサーバーにアクセスを振り分けるWebシステムなどが水平型に該当します。

分散コンピューティングの形態の一つにグリッドコンピューティングがあります。

グリッドコンピューティングとは、分散コンピューティングを用いて複数のコンピューター群を一つのスーパーコンピューターとして機能させる形態です。

個々のコンピューターの性能は平均的でも、分散コンピューティングを用いることでスーパーコンピューター並みの性能を引き出すことにもつながります。

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コロナウイルスにより分散コンピューティングを活用するプロジェクトが増加

コロナウイルスにより大勢の人が集まりプロジェクトを進めることが難しくなりました。

そのため、離れた場所にいてもネットワークを介して、同時並行的に処理を行うことのできる分散コンピューティングを活用したプロジェクトが増えてきました。 

世界の名だたる企業や団体が分散コンピューティングを活用しています。

分散コンピューティングを活用したプロジェクトに参加することは、個人でも可能な場合が多くあります。

公式ホームページ内にあるダウンロードサイトから専用のプログラムをダウンロードし、実行するだけで参加できるプロジェクトも中にはあります。

分散コンピューティング メリットデメリット

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分散コンピューティングのメリット・デメリット

一見するとメリットが多そうな分散コンピューティングですが、デメリットもあります。

ここでは、分散コンピューティングのメリットとデメリットを解説します。

分散コンピューティングのメリット

分散コンピューティングのメリットには、次のようなものがあります。

大規模データの処理が可能

従来、大規模なデータの処理を行うにはスーパーコンピューターが必要でした。

分散コンピューティングでは、性能の低いコンピューターでも数を用意することによって、大規模演算が可能になります。

また分散コンピューティングでは、スーパーコンピューターを上回るほどの処理能力を発揮することもあります。

これが分散コンピューティングの最も大きなメリットでしょう。

1台のコンピューターの負担を軽減

スーパーコンピューターの場合、大きな負荷がかかると処理が遅くなることがあります。

また、どこかが故障してしまうとシステム全体がダウンすることもあるでしょう。

復旧にも時間がかかり、その間処理はストップしてしまいます。

しかし、分散コンピューティングの場合、1台ごとのコンピューターに負荷が分散されます。

1台のコンピューターが故障しても、他のコンピューターが故障したコンピューター分の処理を補えるため、システム全体がダウンすることはありません。

低コスト

大規模な演算処理にはスーパーコンピューターの活用も考えられます。

しかし、スーパーコンピューターを導入するには、その維持や管理を含めても莫大なコストがかかるでしょう。

分散コンピューティングは、すでに存在する世界中のコンピューターのCPUやGPUを間借りするかたちになるため、コストを格段に抑えられます。
 
また、コンピューターの数を増やせば、処理速度や信頼性を向上させることができます。

分散コンピューティングのデメリット

次にデメリットを解説します。デメリットもよく理解しておきましょう。

システム管理の複雑化

分散コンピューティングでは、管理するコンピューターの台数が多くなります。

規模が大きくなればなるほど、管理は複雑化します。

全てのコンピューターに対してソフトウェアのアップデートを行ったりトラブルの監視を行ったりする必要があります。

セキュリティ対策が困難

分散コンピューティングでは、多数のコンピューターを活用します。

すべてのコンピューターに対してセキュリティ対策を行っておかないと、セキュリティホールから情報が漏洩したり、ウイルスに感染したりする可能性があります。

個々のコンピューターだけでなく、ネットワーク回線に対してもセキュリティ対策を行っておく必要があるでしょう。

ネットワークの負担が増加

ネットワークの負荷が増加することもデメリットの一つです。

帯域幅は無限にあるわけではないため、通信量が多くなれば当然ネットワークに負荷がかかります。

また、コンピューター間のネットワークの品質にもばらつきはあるため、回線が速いこともあればそうでないこともあるでしょう。

分散コンピューティングはネットワークが正常に動作していることが前提となります。

大規模なネットワーク障害が発生すれば、分散コンピューティングにとって大きなダメージとなってしまいます。

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分散コンピューティングの活用例

分散コンピューティングは具体的にどのような場所で活用されているのでしょうか。

分散コンピューティングの活用事例に触れてみましょう。

天気予報

天気予報は各種シミュレーションの中でも特に難しいといわれています。

例えば、日本の天気予報を行う場合は、日本列島を北から南まで丸ごと観測しなければならない上に、地表から上空数キロまでの範囲を観測する必要があります。

それだけ広範囲の天気や温度、降水確率や湿度まであらゆる情報を算出しなければなりません。

しかも時間は限られています。

翌日の予報は最低でも当日のうちに出しておく必要があります。

週間天気予報ともなると、膨大な演算処理が必要となるでしょう。

こうした場面で分散コンピューティングは威力を発揮します。

スーパーコンピューターを用いずとも、いくつかのコンピューターを活用し演算処理を並列で行うことで、高速に予報を導き出すことが可能です。

ゲーム開発

オンラインゲームはサービス間の競争が激化しており、開発、管理、運営のためのコストが膨大になってきています。

こうした課題を解決するために分散コンピューティングは利用されています。
 
プログラミングしたものを機械語に変換するためのビルドやコンパイルの時間を、分散コンピューティングを活用することで大幅に短縮できます。

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まとめ

分散コンピューティングとは、1台のコンピューターにすべての処理を任せるのではなく、複数台のコンピューターで処理を行うことです。 

分散コンピューティングを活用することで、1台のコンピューターの負担を軽減し、コスト削減することができます。

分散コンピューティングは天気予報やゲーム開発などさまざまな分野で活用されています。

近年、分散コンピューティングのようなネットワークやクラウドを利用した技術が増えてきています。

そのため、今後もエンジニアとして活躍していくためには、ネットワークやクラウド、情報を保護するためのセキュリティ関係の知識やスキルを身に付けておく必要があるといえるでしょう。

こういった知識やスキルを身に付けるためにはフリーランスになり、さまざまなプロジェクトに参画し、経験を積んでいくこともひとつの道です。

また、フリーランスとして働けば、働き方の自由度が増しやすく、勉強時間を確保することなども可能になるでしょう。 

フリーランスITエンジニア専門エージェント「HiPro Tech」では、希望や経験にマッチする案件を獲得できるようサポートします。

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また、セキュリティやクライアント、ネットワークなどに特化した案件も豊富に扱っています。

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記事監修

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。

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