パッケージ導入エンジニアとは?年収や仕事内容、コンサルとの違いについても解説
「パッケージ導入エンジニアとはどんな仕事なのだろう」
「パッケージ導入エンジニアはどのようなキャリアパスを描けるのだろうか」
パッケージ導入エンジニアについて、このように考える方は多いのではないでしょうか。
本記事では、パッケージ導入エンジニアの仕事内容、パッケージ導入コンサルタントとの違い、パッケージ導入エンジニアの給与相場、キャリアアップの方法について紹介します。
ITエンジニアとしてのキャリアの一つであるパッケージ導入エンジニアについて、ぜひ参考にしてみてください。
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パッケージ導入エンジニアとは
パッケージ導入エンジニアとはどのような仕事なのか、パッケージ導入エンジニアの仕事内容、主な種類、パッケージ導入コンサルタントとの違いを解説します。
パッケージ導入エンジニアの仕事内容
パッケージ導入エンジニアは、クライアント企業(以下クライアント)の業務課題に合わせてパッケージの導入を支援し、運用保守を行います。
パッケージとは、特定の業務に汎用的に使用できるように作成された市販のソフトウェアのことを指します。
主に大規模な統合システムを導入し、カスタマイズや運用サポートを行います。
◯ クライアントに合わせてパッケージをカスタマイズする
扱う商材が有形か無形か、また、法人顧客向けのビジネスか個人顧客向けのビジネスかなど、クライアントの業態によりシステムのありようは異なります。
パッケージ導入エンジニアは、クライアントの業務実態に合わせてパッケージをカスタマイズします。
◯ パッケージの導入後は、トレーニングや運用を支援する
パッケージ導入後は、クライアントのトレーニングと運用の支援も実施します。
パッケージ導入エンジニアは、システム開発を担当するエンジニアとは異なり、すでに開発されているシステムをセットアップし、クライアントの環境で導入することに重点が置かれます。
そのため、クライアントとの直接的な関わりが深く、高いコミュニケーション能力が求められるでしょう。
パッケージ導入エンジニアの主な種類
パッケージ導入エンジニアは、担当するシステムの機能により、複数の種類に分類されます。
主なパッケージ導入エンジニアの種類と特徴を解説します。
◯ ERP
ERPとは、Enterprise Resource Planningの略で、企業の経営資源を一元的に管理するシステムです。
ERPを導入するエンジニアをERPエンジニアと呼び、人事、労務、財務、生産、販売などを管理する基幹系システムの導入・運用を担います。
ERPの導入により、経営に必要なさまざまな系統の情報を統合し、経営の効率化を図ることが可能です。
また、SAP社が製造しているERPは、大企業向けのシステムとして高いシェアを誇ります。
SAP社が製造しているERPについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
【関連記事】 ・SAPエンジニアの仕事内容や必要なスキル・経験・勉強会などを紹介 ・SAPの将来性とSAP案件の種類、傾向、獲得方法について |
◯ SCM システム
SCMはサプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management)の略で、製品の仕入れ・製造から販売に至る一連の業務を管理し効率化することを指します。
サプライチェーン全体を可視化し、最適化するシステムがSCMシステムです。
SCMシステムでは、販売数量のデータと在庫数をシステム内で一括管理し、仕入れの量を適正化することにより、コストの削減を図ります。
また、顧客が商品を発注し、受け取るまでの期間(リードタイム)を短縮することも期待できます。
上記のようなプロセスでサプライチェーンを効率化し、商品の付加価値を高めることが期待されます。
◯ CRM システム(CRMツール)
CRMはCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係の情報や交信記録などを管理することを指します。
そして、CRMシステム(CRMツール)とは、顧客に関する情報を一元的に管理できるシステムのことです。
CRMシステムでは、顧客情報を一元管理し、分析することができます。
また、問い合わせ記録やメール配信機能とも紐付けし、ターゲットとして定めた顧客に効率的にコンタクトをとることもできます。
近年では、商品の付加価値が重んじられる傾向があり、多くの企業が顧客満足度を高める取り組みを実施しています。
CRMシステムを活用し顧客との関係性を深めることにより利益向上を図ることが可能でしょう。
パッケージ導入コンサルタントとの違いは?
パッケージ導入エンジニアとパッケージ導入コンサルタントは、主に担当する領域に違いがあります。
パッケージ導入エンジニアは、パッケージを実装する際の技術的な行程を担当します。
具体的には、パッケージのカスタマイズ、パッケージの運用保守、クライアントへの使用方法のインストラクションなどです。
一方で、パッケージ導入コンサルタントは、企業課題の把握と使用するパッケージの検討や提案が主な担当領域です。
パッケージ導入エンジニアは導入から運用のフェーズに力点が置かれ、パッケージ導入コンサルタントは導入前の要件定義など上流工程業務に力点が置かれる違いがあります。
しかしながら、昨今は上流から携わるパッケージ導入エンジニアが増えており、プロジェクトの方針や要件定義の段階で技術的な観点で課題解決のための提案を実施するケースもあります。
関連記事:ERPコンサルタントの将来性は?おすすめの資格や必要なスキルも紹介 |
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パッケージ導入エンジニアとしてはたらくメリット・やりがい
パッケージ導入エンジニアとしてはたらくメリット、やりがいについて紹介します。
上流工程に携われる
パッケージ導入エンジニアは、企業課題に合わせた市販ソフトウェアを導入し、運用保守を行う仕事です。
自社製品を一から開発するエンジニアと比較すると、企業課題の把握やクライアントへの提案に業務の比重が大きくなります。
そのため、パッケージ導入エンジニアは上流工程に携わる機会が多くあるといえるでしょう。
キャリアップが期待できる
パッケージ導入エンジニアは、大規模なシステム導入により直接経営課題を解決します。
パッケージ導入エンジニアの業務を通して、顧客のニーズを汲み取り、プロジェクトの方針から考えていく経験ができるでしょう。
上流工程の仕事にも携わる機会があるため、パッケージ導入エンジニアにはさまざまなキャリアパスを選びやすいという傾向があります。
経営戦略に対するIT面の課題に対して解決策を提案するITコンサルタントや、プロジェクトの管理をするマネジャー職など、高い収入を得やすい職種へもステップアップしやすいでしょう。
フリーランスとして独立する道がある
現在、多くの企業においてシステムの保守やシステム移行のニーズが高いため、パッケージ導入エンジニアは需要があります。
対して、パッケージ導入エンジニアは、需要に対して相対的に希少であり、企業がパッケージ導入エンジニアを積極的に確保しようとしています。
パッケージ導入エンジニアの需要が高いため、さまざまなフリーランスの案件が存在します。
一方、企業に所属するパッケージ導入エンジニアの場合、仕事内容を選べず、関わる領域が限定的になることもあります。
フリーランスのパッケージ導入エンジニアであれば、関わる案件次第で対応領域を広げていくこともできるでしょう。
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パッケージ導入エンジニアの年収相場
転職サービス「doda」の「平均年収ランキング」によると、パッケージ導入エンジニアの平均年収は、483万円です。
パッケージ導入エンジニアの年代別平均年収は以下のとおりです。
【年代別 】
20代 | 30代 | 40代 | 50代~ |
---|---|---|---|
424万円 | 534万円 | 708万円 | 725万円 |
【ほかのIT職種の平均年収と比較】
IT職種全体 | SE/プログラマ | 運用/監視/保守 | ITコンサルタント | プロジェクトマネジャー |
---|---|---|---|---|
462万円 | 425万円 | 378万円 | 598万円 | 693万円 |
日本のビジネスパーソン全体の平均年収は426万円です。
それと比較すると、パッケージ導入エンジニアの20代、30代は、比較的高い給与水準にある傾向があります。
加えて、40代・50代以降も、堅調に年収が伸びていく傾向が見られます。
また、IT職種全体の平均年収の462万円より、パッケージ導入エンジニアの平均給与は高いです。
一般的なSE/プログラマ職の平均給与425万円、運用/監視/保守職の平均給与378万円と比較すると、パッケージ導入エンジニアは高い給与を得られる可能性が高いといえそうです。
※参考:転職サービス「doda」 年収の高い職業は?平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】(2025年3月時点)
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パッケージ導入エンジニアの年収とキャリアアップにおすすめの方法
パッケージ導入エンジニアが年収アップやキャリアアップをするためには何をすれば良いか、おすすめの方法を紹介します。
資格・スキルを取得する
パッケージ導入エンジニアの年収とキャリアアップにおすすめの方法の一つ目は、資格やスキルを取得することです。
パッケージ導入エンジニアには、まずERP、SCMシステム、CRMシステムなど扱うパッケージに関する知識が求められます。
パッケージを導入するクライアントの業界やパッケージをリリースしている企業によって、学ぶべきパッケージの知識が異なるため、特化した知識を得られると良いでしょう。
また、パッケージ導入エンジニアは、適切なパッケージを用いてクライアントの業務課題を解決する必要があるため、問題解決能力も必要となります。
パッケージに関する資格としては、要件定義などの上流工程のスキルの証明となる資格として応用情報技術者試験、IT戦略に関する資格としてITストラテジストが挙げられます。
好待遇の企業に転職する
パッケージ導入エンジニアの年収アップやキャリアアップにおすすめの方法の二つ目は、高待遇の企業に転職することです。
SAP社が提供するERPのサポートが終了し、新システムへの移行が必要となるため(※2027年にサポート終了)、特にERPの知識を持ったエンジニアの需要が高まっています。
現在の所属先ではたらき続ける場合は、会社の給与体系に沿った年収の上昇が見込まれます。
一方、転職の場合は、市場の需要の変化に対応した年収を提示される傾向にあると考えられるため、転職することで給与アップが見込めることがあります。
フリーランスとしてプロジェクトに参画する
パッケージ導入エンジニアの年収アップやキャリアアップにおすすめの方法の三つ目は、フリーランスとしてプロジェクトに参画することです。
パッケージ導入エンジニアは、フリーランスでも求人があります。
企業課題を検討し、適切なパッケージを提案できるスキルのある方は、高い待遇ではたらくことができる可能性が高いでしょう。
フリーランスエージェントを利用することで、良質な案件情報を提供してもらえます。
また、案件獲得に向けた営業代行や、事務作業をサポートしてくれるなどのメリットもあります。
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本記事では、パッケージ導入エンジニアの仕事内容、パッケージ導入コンサルタントとの違い、パッケージ導入エンジニアの給与相場、キャリアアップの方法について紹介しました。
パッケージ導入エンジニアは、適切なソリューションを提案できる論理的思考力とコミュニケーション力が求められる分、上流工程の業務に携わりキャリアアップのチャンスも大きい 職種です。
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記事監修

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。