文系からフリーランスエンジニアは可能?必要な資格、独立のメリット・リスクまで
IT業界の発展・拡大に伴って、「エンジニア」という職業の需要が増えてきています。
近年は、小学校の授業にプログラミングが取り入れられ、小学生の将来なりたい職業ランキングにもエンジニアが入っているほど、エンジニア、プログラミングといったキーワードが身近になっています。
しかし、「エンジニアって理系しかなれないんだろうな」「文系からエンジニアを目指す人はよっぽど勉強しているんだろう」と思っている人も多いかもしれません。
文系でも、エンジニアを目指す人、そして将来フリーランスのエンジニアとして独立を考えている人もいると思います。
実際に、文系からエンジニア職に進むことは可能です。
今回は、エンジニア志望の人に向けて、文系からエンジニアになる方法や、フリーランスエンジニアとして活躍する方法について解説します。
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
そもそも、「エンジニア」とは?基本情報
「エンジニア」=プログラミングをする人、というようなイメージが強いですが、そもそも「エンジニア」とはどのような意味で、どのような仕事をする人なのでしょうか。
エンジニアは、英語で「Engineer」と表記し、直訳すると「Engineering(工学)」をする人、すなわち「技術者、工学に長けた人」という意味です。
そのため、特にシステム開発などのプログラミングを行なっている必要はなく、自動車整備なども専門的な技術を身に付けているという点では「エンジニア」です。
近年はIT業界の発展に伴って、IT業界で働くエンジニアが増えているため、特に情報工学やコンピュータ科学に長けている人材を、「エンジニア」と呼ぶことが一般的になっています。
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
エンジニアは文系でもできる?その理由とは
エンジニアは文系出身でも活躍することが可能です。
その理由を見ていきましょう。
人材不足であるため
文系でもエンジニアになることができる一つ目の理由は、エンジニアという職種の有効求人倍率が、非常に高いということが挙げられます。
DX推進によって、企業はIT投資を積極的に行うようになっています。
それに伴い、IT人材は不足しており、エンジニアは引く手あまたの状況だと言われています。
企業がエンジニアをあまり求めておらず、理系出身のスキルフルなエンジニアですら職に就けない状態が続いていたとしたら、残念ながら文系出身のエンジニアにはチャンスが少ないと想定できます。
しかし、エンジニア全体で人材不足が続いているため、文系からでも挑戦することができ、キャリアを築くことも可能な状況です。
教育体制が整っているため
文系でもエンジニアになることができる二つ目の理由は、エンジニアの教育環境が整っているという点です。
十数年前は、エンジニアを目指す人のための教材もあまりなく、お手本となる先輩もいないようなことも少なくない状況でした。
これでは、スキル・技術の習得に時間がかかり、エンジニアとして活躍するためには才能やセンスが必要とされたかもしれません。
しかし、エンジニアの需要が高まった昨今では、初心者用の書籍やオンライン教材が非常に充実しており、初心者でも体系的にプログラミングを学べる環境が整っています。
また、新卒採用では、数学的な素養に自信がない人であっても、研修を実施してエンジニアに育てるという企業もあるため、プログミングなどに触れたことがなくても、エンジニアになることは可能でしょう。
文系よりのスキルも必要とされるため
文系でもエンジニアになることができる三つ目の理由は、エンジニアでも文章力やコミュニケーション力といった文系寄りのスキルが必要な場面が多くあるためです。
例えば、システムを構築するエンジニアは、現状のシステムのどこに課題があって、どのような機能が必要かを考え、改善するための方法(≒要件)を定義する仕事があります。
実際にシステムを使っている人から課題を引き出すコミュニケーション能力や、それを必要な仕様・機能に落とし込む論理的思考力と文章力が求められます。
そのため、文系出身であっても、コミュニケーション能力や文章力、論理的思考力を身に付けてエンジニアとして大活躍する人は多いです。
理系=適性があるわけではないため
先述した内容と少し重複しますが、「理系だからエンジニアになれる」「理系だから100%エンジニアの適性がある」といったわけではありません。
エンジニアには求められるスキルや適性があり、プログラミングなどの技術的素養が求められる傾向にあるため、理系のイメージが強いですが、実際には他にも必要なスキルがあり、理系だからエンジニアになれるわけではないのです。
しかし、もちろん、理系出身の大学の方が、学生時代から学習をしてきた経験はあるでしょう。
このため、文系出身の方が、技術的な面でのキャッチアップには時間がかっててしまうという考え方はでるかもしれません。
<エンジニアに必要とされるスキル>
コミュニケーション能力 |
プロジェクトを他者と協業する・クライアントのニーズを聞き出すためにはコミュニケーション能力が必要。 文系理系問わず皆持っていることが多いが、会話の内容を文章に落とす力も求められ、このスキルは、文系の出身者が優れていることもあり、文系出身でも活躍しやすい。 |
---|---|
マネジメント能力 |
プロジェクトを進行するためには、マネジメント能力も必要。 コミュニケーション能力同様に、文系理系問わないスキルではあるものの、文系の大学の授業やゼミではチーム課題が出ることも多く、文系出身者の方が得意な場合がある。 |
プログラミング能力 |
物の仕組みやメカニズムを理解し、適切なコーディングで組み立てていく力は理系脳を必要とすることが多い。 理系出身のエンジニアは、大学時代からプログラミング言語を学んでいる場合もあり、能力は長けている人が多い。 |
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
文系出身のエンジニアが活躍できるかは、職種による!おすすめは?種類
エンジニアと一口にいっても、全てのエンジニアが同じようなスキルセットを必要とするわけではありません。
それぞれ専門分野があり、必要なスキルも異なります。
ここでは、文系出身でも比較的挑戦しやすいとされる職種を紹介します。
ヘルプデスク・テクニカルサポート
ヘルプデスクやテクニカルサポートは、提供しているIT機器やサービスの問い合わせを受け付ける職種です。
IT知識を必要とする技術職ではありますが、業務ではコミュニケーションが重要になるシーンも多く、問い合わせの対応やレクチャーなどを行います。
社内SE・システムエンジニア
社内SEやシステムエンジニアは、必ずしも開発業務に携わるわけではありません。
このため、プログラミングができなくても社内SEやシステムエンジニアになれる場合があります。
上流工程のみを担当し、開発は行わなくいといった場合です。
大手企業のシステムエンジニアなども、文系出身のメンバーが活躍しているといったケースもあります。
上流工程に携わるため、コミュニケーション能力が重要です。
ITコンサルタント・PM・PMO
ITコンサルタントやPM・PMOなども、担当する業務によってはプログラミングスキルを問われない分、文系出身でも活躍しやすいでしょう。
IT周辺の知識やトレンドに関する情報は常にキャッチアップする必要がありますが、開発には携わらないことも多いです。
しかし、ロジカルシンキング能力は求められるため、理系脳の人材が活躍しやすく、数学などに強いとより良いでしょう。
アプリケーションエンジニア
アプリケーションエンジニアは、業務系システム・Webサービス・スマートフォンアプリの開発プロジェクトにおいて、システム設計やプログラムの開発、動作テストなどの一連の動きに携わります。
また、開発したアプリのローンチ後、運用や保守も担当します。
開発を行う分、比較的理系出身が多く在籍しているのが特徴です。
開発業務などについては、自分でしっかりと学習を進めることが必要でしょう。
アプリケーションエンジニアは大きく、
|
に分けられます。
中でも、フロントエンドの領域は理解がしやすいのでおすすめです。
フロントエンドとは、フロント、すなわちユーザーに見える部分を取り扱うエンジニアのことです。
Webサイトの設計や、アプリの設計などを担当しています。
システムを開発する際も、実際にシステムを触る人がどう動かすのかを考えて、UIを実装していきます。
PHPやJavaScriptといったWebに特化したプログラミング言語を取り扱うことが多く、これらは習得難易度も比較的低くなっています。
バックエンドエンジニアとは、Web周りを扱うエンジニアの一つです。
各種サーバーやインフラ部分など、ユーザーがあまり目にする機会のない部分を担当します。
インフラ部分を担当することもあるため、アプリの知識だけではなく、インフラの知識が求められる場合があります。
インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、ネットワーク、データベース、サーバーなど、システムの基盤に関わる部分を担当するエンジニアです。
インフラエンジニアは、システムの裏で縁の下の力持ちとして、システムの安定を支えているようなイメージです。
アプリケーションエンジニアとは異なり、ネットワークやデータベース、サーバーといったユーザーから見えない部分を担当しています。
プログラミングを理解していない文系出身でも活躍しやすいものの、IT機器のメカニズムなどを理解する必要があるため、向き不向きはあるかもしれません。
|
などをインフラエンジニアと呼びます。
例えば、ネットワークエンジニアの場合、Wi-Fiルーターなど専門的な機材を扱うことも多く、非常に高度な専門知識が求められる仕事です。
サーバーエンジニアの場合は、サーバーを管理することが仕事になることが多く、マニュアルなどを元に決められたタスクを行う場合もあります。
しかし、最近では、オンプレミスからクラウドサービスを使うように移行を目指す企業も多いため、新しい知識のキャッチアップを常に求められるでしょう。
AIエンジニア・データサイエンティスト
エンジニアの中でも、ハイスキル層に分類される、AIエンジニアやデータサイエンティストなどの職種もあります。
データサイエンティストとは、ビッグデータと呼ばれる膨大な量のデータ群の処理や解析にあたり、企業へのビジネスに役立てる役割を担うエンジニアです。
現在の日本では、情報爆発が起きており、あらゆるデータの中から企業やビジネスに役立つ情報を見つけるのが困難な場合に、データサイエンティストが必要になります。
需要の高まりはあるものの、プログラミングスキルだけではない、さまざまなスキルや知識を必要とされます。
IT業界に長く身を置き活躍しているデータサイエンティストの中には、文系出身の人材もいますが、基本的には文系から目指すにはかなりの勉強が必要でしょう。
文系からエンジニアになる方法
文系からエンジニアになる方法として、以下のような選択肢があります。
|
大学で知識を学んでいない分、どこでカバーをするべきかを考える必要があるでしょう。
インターンや新卒は、ポテンシャルで見られることが多いため、門戸が開放されやすいです。
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
文系からエンジニアになるならとっておきたい資格とメリット
資格を取るメリット
エンジニアには、必ずしも資格は必要ありません。
しかし、特に経験の浅いエンジニアが資格を取得できれば、スキルを証明できるという大きなメリットがあります。
このため、文系出身なのであれば、より取得した方が良いといえるでしょう。
具体的なメリットは以下の二つです。
資格取得に向けた勉強自体がスキルアップに繋がる
資格を取るためには、教材を購入し、それに沿って勉強する必要があります。
独学で闇雲に勉強するよりも、資格の内容に沿って勉強を進めた方が、効率的に重要なスキル・知識を身につけることができます。
特に文系出身のエンジニアの場合は、大学で勉強できないため、少しでもアカデミックな環境で勉強するために、資格取得がおすすめなのです。
実績を補填する材料になる
特に駆け出しのエンジニアの弱みは、実績が無いことです。
いくらエンジニアになるための勉強をしていても、実績がなければエンジニアとして就職しにくいことや、独立した際に仕事を受注しにくいなどの壁にぶつかることがあります。
一方で資格を取得することで、それを補うこともできます。
資格を持っていることで、客観的にスキルを示すことができるためです。
主なエンジニアの資格
代表的なエンジニアの資格としては、以下のようなものがあります。
いずれも国家資格であるため、転職や独立の際に有利に働く可能性が高いです。(2021年8月時点)
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、エンジニアとして基本的な知識・スキルを保有していることを示す試験です。
比較的難易度は低めなため、経験の浅いエンジニア向きの資格といえます。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 基本情報技術者試験ページ
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、文字通りエンジニアとして応用的な知識、スキルを保有していることを示す試験です。
基本情報技術者試験に合格した人で、さらにワンランク上のスキルを証明したい人に適した資格です。
参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 応用情報技術者試験ページ
その他、言語系の試験
その他にも、各言語に認定資格があります。
代表的なものを以下に示します。
|
これらの資格は、その言語を使って開発することができ、確実に理解があることを示すことができます。
企業はエンジニアに対して「どの言語をどのレベルで扱えるか」を重視しますので、言語の資格を持つことは、案件獲得に向けて武器の1つになります。
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
文系からフリーランスのエンジニアとして働くことができるのか?
エンジニアとしてスキルを身につけた人の中には、フリーランスとして独立するという選択をする人がいます。
フリーランスエンジニアとして独立するほどのスキルがあれば、文系か理系かはあまり関係ありません。
特にエンジニアは実力で判断されるため、十分なスキルさえあれば、何系出身かどうかは関係ないといえるでしょう。
ここではフリーランスエンジニアとして働くメリットやリスクを紹介します。
フリーランスで働くメリット
フリーランスで働くメリットは以下の通りです。
|
フリーランスで働く場合、案件を取扱っているサイトやエージェントなどを利用して案件を受注することが多いでしょう。
経験が豊富なエンジニアや専門性の高いエンジニアであれば、高単価かつ自分の興味のある案件を受注できる可能性があるため、会社に勤めている時よりも高い満足度を感じながら働くことができ、収入を上げることも期待できます。
フリーランスで働くリスク
魅力的に見えるフリーランスという働き方ですが、リスクもあります。
|
必ずしも常に案件を受注できるとは限らないため、収入の保証がありません。
案件を受注できない月は収入ゼロという可能性もあります。
しかし、工夫や努力次第で、安定して案件を受注することは可能ですので、積極的に活動していればこのリスクは最小限に抑えることはできるでしょう。
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
まとめ
IT関連の専門的な知識をもつエンジニアは、非常に近年人気で収入も高い職種になっています。
文系出身でも、十分に目指すことができ、スキルがあれば活躍することは可能でしょう。
このため、資格などを駆使してエンジニアのスキルを身に付け、フリーランスとして独立する、という働き方も夢ではありません。
一方で、フリーランスエンジニアには、安定して案件を獲得できるかどうかわからないというリスクが伴います。
こうしたリスクを少しでも減らすためには、安定して好条件の案件を扱い、希望や経験に合致する案件を紹介するエージェントに登録しておく方法があります。
「HiPro Tech」は、IT・テクノロジー領域特化型エージェントサービスで、高単価で長期契約可能な良質な案件も多数扱っています。
希望にマッチした案件の紹介や企業との面談前後でのフォロー、必要に応じて契約条件や契約延長の代理交渉なども行います。
そのため、効率的に希望にマッチした案件を獲得する可能性を高めることができます。
フリーランスのエンジニアを目指している人は、ぜひ一度無料会員登録を検討してみてください。
記事監修
2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。