CDOとは?役職の意味や今後期待される役割をわかりやすく解説
DXが注目されている今の時代において「CDO」と呼ばれる役職が注目されています。
さまざまな企業でデジタル化やオンライン化が進む今の時代において、急激に注目されている役職の1つです。
非常に注目度の高い役職ですが、CDOがどのような役職なのかを具体的にイメージできていない人は多いかもしれません。
今回は、そんなCDOについてご説明します。
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CDO(最高デジタル責任者)とは?
CDOとは「Chief Digital Officer」の略称です。
日本語では 「最高デジタル責任者」と表現する企業が多くなっています。
その名称からもわかるとおり、CDOはデジタル部分の最高責任者として、DXなど社内のデジタル化を推進していきます。
現在は、多くの企業でDXの推進が急務となっているため、そのような状況において先頭に立ち、企業をデジタル化へと率いていく役割を担っています。
近年、アメリカなどでCDOを設置する企業が増加傾向にあり、この10年で急速に普及しました。
新型コロナウイルスの蔓延により、デジタルを活用したビジネスが重視されるようになったことから、CDOを設置している企業が多くなり、設置したことによる成功事例が増えたことも大きな要因の一つでしょう。
CIOとの違い
CIOは「Chief Information Officer」の省略で「最高情報責任者」と訳されることが多くあります。
CDOとは違い、既存の情報資産の管理やITプロセスの改善、社内のセキュリティなどを担当する役職です。
CIOは、社内システムの運用保守などを担い、社内にベクトルが向いた業務を担当することが多いですが、CDOは異なります。
CDOは、デジタル化されていない部分について、DXを用いてデジタル化していきます。
業務プロセスを変革させるだけではなく、デジタル化した新しいビジネスモデルの考案なども行います。
つまり、CDOは、デジタル化を推進する役割なのです。
CxOなど他の職種との違い
CDOやCIOと並んでCxOとの言葉が見受けられる場合があります。
これは特定の役職を指す言葉ではなく、最高責任者を総称する表記の仕方です。
一般的にCxOと書かれている場合は「x」の部分にさまざまな文字を当てはめます。
例えば「I」を当てはめると「CIO」となり最高情報責任者との意味を持ちます。
CDOもこのCxOで表現される役職のひとつです。
まとめると以下のような関係です。
CxO | CEO | 最高経営責任者となり、経営に全責任を持つ役職 |
---|---|---|
COO | 業務執行の責任を負う役職 | |
CIO | 既存の情報資産の管理やITプロセスの改善、社内のセキュリティなどを担当する役職 | |
CDO | デジタル部分の最高責任者として、DXなど社内のデジタル化を推進する役職 | |
CFO | 財務を戦略に取り込み、企業の財務パフォーマンスを向上させる役職 | |
CHRO | 戦略的人事を実行し、人事関連に責任を持ち、人事戦略を立案する役職 | |
CTO | 企業の技術領域における責任を負う役職 |
CDOは、同じアルファベットでも違う職種がある?
一般的に「CDO」というと、最高デジタル責任者を指すことが多いですが、同じアルファベット表記でも意味の違う職種があるため、その点も注意が必要です。
CDOという言葉自体は、以下のような役割を指すこともあります。
「データ面」で役割を持つ最高データ責任者(Chief Data Officer)
最高データ責任者は、社内のデータに関する責任を負う役職です。
データマネジメントを担当し、社内のデータ品質の確保を行います。
また、純粋にデータを管理するだけではなく、社内のデータ分析を推進する場合もあります。
このようなデータ分析を担当する場合は、DXの考え方に含まれているために、CDO(最高デジタル責任者)と仕事内容が似る部分もあります。
「デザイン面」で役割を持つ最高デザイン責任者(Chief Design Officer)
最高デザイン責任者は、社内のデザインに関する責任を負う役割です。
開発する製品などのデザインはもちろん、Webサイトなど広告ツールのデザインなどにも責任を負います。
CDO(最高デジタル責任者)には基本的にデザインの観点は含まれていません。
そのため、最高データ責任者と最高デジタル責任者を取り違えると話が繋がらないため、注意が必要です。
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CDO(最高デジタル責任者)の役割
CDOの役割は大きく分けて4つあります。
DXの推進
p近年は多くの企業でDXが注目され、実際DXを推進する企業が増えています。
このような企業において先頭に立ち、DXに対応していくのがCDOの役割です。
社内でDXを推進するためには、全社的な対応が必要不可欠です。
情報システム部門だけではなく、システムを利用する現場の部門にも協力してもらう必要があります。
そのため、CDOが先頭に立ち、複数の部門を巻き込んで全社的にDXに対応していきます。
CDOは、デジタル領域とCEOの橋渡し的な役割でもあります。
CEOのビジョンを実現するためには、デジタル領域でどういったアクションが必要なのか、戦略を練ります。
データの活用
社内に存在するデータの活用も担当します。
最高データ責任者がいる場合は、CDOと最高データ責任者はお互いに協力し合ってデータの活用を推進していきます。
特に、ビッグデータを保有している場合には、データ解析を行いビジネスや事業開発などに転用できる可能性が多いにあります。
分析結果は、業務改善などにも活かせるあるため、CDOが主導して分析を進めていきます。
デジタル人材の活用
社内でDXを推進していくためには、対応できるエンジニアが必要です。
情報システム部門だけではなく、さらに専門的なスキルを持つ人が求められる場合もあります。
そのような人材が求められる際は、CDOが主導して人材を登用していきます。
人事部門と協力し、人材の採用や育成などを行っていく必要があるでしょう。
新ビジネスモデルの提案
デジタル技術を通して、ビジネスモデルや組織構造を変化させることで、業務効率が上がったり、企業としての生産性が上がったりします。
これらは、新ビジネスモデルだといえるでしょう。
このため、既存ビジネスの理解が求められ、さらには、新ビジネスモデルの創出をCDOは担います。
これらの考案と推進に責任を持って行うのがCDOです。
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CDOが注目されている背景と今後について
ここまでCDOの役割について説明しました。
では、なぜ昨今CDOが注目されているのでしょうか。
続いては、CDOが注目される理由と今後CDOに期待される役割をご説明します。
DXの普及
現在は、DXの普及が急激に進んでいます。
一方で、日本のDXは遅れているとの見方もあります。
海外と比較すると、日本のDXレベルは低い部分もあるためです。
しかし、2020年の新型コロナウイルス蔓延の影響もあり、ここ数年で急激にDX化が進んでいることは間違いありません。
そのような状況で、非常に多くの企業において、DX化に向けた対策がとられています。
各企業は、国がDXの方針や取り組みなどを示しているため、それらに沿って活動をしているケースが多いです。
DXに関して知見がある人が先頭に立ち、この取り組みをけん引する役割としてCDOが多くの企業で注目されています。
今後は更にDXの推進が求められると考えられます。
今まで以上に、最新の技術をもとに社内にDXを普及させることがCDOに求められるでしょう。
デジタルマーケティングの価値向上
さまざまな企業が、デジタルマーケティングを行っています。
デジタルマーケティングとは、SNSの活用やインターネット広告の出稿など、オンラインを活用したマーケティングを指します。
以前から広く利用されている手法ですが、デジタルマーケティングの効果の高さは、今まで以上に注目される可能性が高いです。
つまりデジタルマーケティングの価値が向上している状況なのです。
このようなマーケティングのデジタル化は、CDOが担当する業務に含まれます。
そのためCDOへも注目が高まっています。
デジタルマーケティングはとにかく実行すれば良いというわけではないため、CDOがマーケティング部門などと連携して、戦略を練る役割を担うことができるとよいでしょう。
デジタライゼーションによる新しい価値創造
商品に新しい価値を付加するために、デジタライゼーションが注目されています。
今までアナログで処理されていたものをデジタル化して、付加価値を生み出す考え方はデジタイゼーションといいます。
目的は若干異なりますが、考え方ややるべきことはDXに近いものがあります。
そのため、DXの推進とともに、CDOに力を発揮して欲しい分野として注目されています。
なお、どのようなものでもアナログからデジタルに切り替えられるわけでありません。
技術的な問題点を抱えている場合があります。
そのため、CDOがデジタライゼーションの対象となる製品を決定したり、必要に応じて投資を判断したり、デジタルを活用した新しいビジネスモデルを考案して推進する役割を負います。
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CDO設置企業は?
アメリカやヨーロッパ企業では、CDOを設置している企業も増えてきていますが、日本ではまだまだだといわれてます。
そのことが定量的に示された調査が以下です。
※引用:総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」(平成30年)
アメリカ、イギリス、ドイツにおいて、CDO設置済みの企業はいずれも16%を越えています。
しかし、日本では3分の1にも満たない状況で、設置済み企業は非常に少ないです。
さらに、検討中の割合も圧倒的に他国と比較して少なく、なかなかCDOの設置が浸透していないことが想像できます。
日本では、DXへの移行ができていない企業や、ITへのコスト投資がそもそもできない資金力の企業が多く、このような現実を作り出していると考えられます。
また、CDOに期待している価値には人材的側面が多いようです。
※引用:総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」(平成30年)
CIOやCDOの設置や検討をしている企業と、そうではない企業を比較すると、CIOやCDOを設置・検討している企業では、雇用や労働力強化に期待が高まっていることがわかります。
このため、人材の採用や育成、人材の価値を引き出すことなどを、CDOに期待しているといえるでしょう。
※参考:総務省「ICTによるイノベーションと新たなエコノミー形成に関する調査研究」(平成30年)
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CDOに必要なスキル・これから求められるスキル
デジタル技術の発展に関する知識
デジタル技術全般に関する深い理解と専門的な知識が必要です。
特に、発展が著しい技術についての知識があるとCDOとして活躍しやすく、現在であればビッグデータ解析や人工知能について理解しておくと良いでしょう。
CDOはそもそも自分で技術を駆使する役割ではありません。
一方で、DX推進を進めていくのであれば、技術に関する知識や専門性は求められます。
責任者としての役割を果たすために、最新のデジタル技術について知識を習得しておくべきであり、技術面での会話ができるようになると良いでしょう。
デジタル技術を活かすビジネススキル
デジタル技術を上手くビジネスに活用していくスキルが必要です。
エンジニアのように高い技術力があったとしても、それをビジネスに活かせなければCDOという役割の意味が薄れてしまいます。
ビジネスに上手く活かしていくためには、お金の流れや人材の流れなどの経営に関するスキルが必要です。
デジタル技術を使って、どのようにビジネスモデルを変革させていくのか、そのために会社はどう変化していく必要があるのかを考えましょう。
DXをした後の組織は大きな変革を遂げたものとなります。
その場合もこれまでの文化や成果を継承し、スキルアップし続けることが必要でしょう。
コミュニケーションやマネジメントスキル
CDOは自分の考えや戦略を社内に展開する必要があります。
スムーズな展開を目指すために、コミュニケーションスキルが必要となります。
可能な限り現場と同じレベルで話をし、自分の戦略をもとに現場を巻き込み、社内教育をする必要があります。
また、社内に考えをうまく浸透させていくために、マネジメントスキルも求められます。
いきなり全員に対してデジタル化を浸透させることは難しく、管理職などを適切にマネジメントし、段階的に浸透させていきます。
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今後のCDO人材について
日本のDXは、まだレベルが低いと言われています。
国を挙げてDXの方針が検討されるなど、準備が進んでいる状況ではありますが、浸透しているとは言い難いです。
そのような状況であるため、現時点で戦略的にデジタル化を推進できる人材の希少性は高くなっています。
CDOのポジションに限らず、高いスキルでDXを推進できる人材が注目されています。
例えば、CDOではなく「DX推進室」などで人材を募集しているケースが見られます。
DX推進において、企業は経験やスキルを持つ即戦力となる人材を求める傾向が強いです。
そのため、社内の人間だけでなく、外部に委託して専門性の高い人材を活用するという考えも広まってきました。
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まとめ
CDOは、DXを推進する存在です。
CDOが、自社ではDXをどのように実現していくか、ビジョンを示します。
即戦力の高いフリーランスを活用する企業も増えています。
フリーランスだからこそ能力が高く、多角的な視点を活かして自社の DXを推進してくれると考えるからです。
より活躍の場を広げたいと考えているのであれば、フリーランスとして独立する、DXに携わるという選択肢があります。
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記事監修
2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。