フリーランスの手取りの計算方法は?年間の収入別の早見表も紹介!
これからフリーランスのエンジニアとして働きたいならば、手取りの収入を把握することが大切です。
まず、手取りとは売り上げから経費や税金などを差し引いたものになります。
どのくらいの手取りを得られるのか事前にシミュレーションをしておきましょう。
本記事ではフリーランスの手取りの計算方法について紹介します。
フリーランスになるとどのくらいの手取り金額を得られるのか、どのくらいの税金を支払うのか知りたい方は参考にしてください。(2023年5月時点)
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フリーランスの手取りの計算方法
フリーランスの手取りの計算式は「売上-経費=所得、手取り金額=所得(税金+社会保険料)」です。
売り上げはクライアントから受け取った金額をすべて含みます。
例えば、インターネットの通信費用やパソコンの購入費用なども経費です。
さらに、国民年金や社会保険料も売り上げから差し引き、税金も差し引きして、残ったものが手取りになります。
※参考:国税庁 2023年5月 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
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手取り金額のシミュレーション(月売り上げ30万円の場合)
フリーランスで月30万円の売り上げを得ている場合の手取り金額をシミュレーションします。
仮に経費を売り上げの3割とすると売り上げが30万円の場合の経費は9万円です。
この条件で手取り金額を計算すると以下のようになります。
税金と社会保険料は前年の収入が360万円、年間の経費が81万円で青色申告をした場合のものを月平均で割りました。
青色申告は65万円の所得控除が適用されるものとします。
売り上げ30万円で経費が9万円のフリーランスエンジニアは、手取り金額が141,516円となりました。
売り上げ | 300,000円 |
経費 | 90,000円 |
社会保険料 | 45,834円 |
税金 | 22,650円 |
手取り | 141,516円 |
※注:上記は、あくまでも一例であり、実際には経費や社内保険料、税金などの金額が個人によって異なるため、実際の手取りとは異なります。
※参考:国税庁 2023年5月 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
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手取り金額のシミュレーション(月売り上げ50万円の場合)
フリーランスエンジニアとして売り上げ50万円を得ている場合の手取り金額をシミュレーションします。
経費は売り上げの3割である15万円発生していると仮定した手取り金額の計算結果は以下の通りです。
青色申告をしていることを想定しています。
売り上げ | 500,000円 |
経費 | 150,000円 |
社会保険料 | 59,840円 |
税金 | 50,775円 |
手取り | 239,385円 |
売り上げ50万円を得ているフリーランスエンジニアは、手取り金額が約24万円でした。
売り上げが上がると税金や社会保険料の金額も大きくなります。
売り上げ30万円の場合と同様に経費の金額によって手取り金額には大きな違いが生じるため注意しましょう。
自身がフリーランスを行う際にどのくらいの経費が発生するのか予想することが大切です。
同じ売り上げでも経費の金額はフリーランスごとに大きく異なります。
※注:上記は、あくまでも一例であり、実際には経費や社内保険料、税金などの金額が個人によって異なるため、実際の手取りとは異なります。
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フリーランスの手取り早見表(月売り上げ別)
フリーランスの手取り早見表を以下に示します。
それぞれ売り上げの3割が経費として発生すると仮定した上での計算結果です。
青色申告をした上でシミュレーションしました。
売り上げ | 手取り金額 |
25万円 | 121,996円 |
50万円 | 239,385円 |
75万円 | 336,884円 |
100万円 | 449,515円 |
売り上げ25万円の場合は手取り金額が121,996円になります。
売り上げ50万円では手取りは239,385円です。
そして、売り上げが75万円に達すると手取りは336,884円になり、売り上げ100万円の場合の手取り金額は449,515円という結果になりました。
売り上げが増えていくにつれて手取り金額も上がります。
また、上記は売り上げに対する経費の割合が一定の場合のシミュレーション結果です。
実際には、フリーランスエンジニアの場合売り上げが増えて経費があまり増えないケースもあり、その場合、手取り金額は上記よりも増えるでしょう。
※注:上記は、あくまでも一例であり、実際には経費や社内保険料、税金などの金額が個人によって異なるため、実際の手取りとは異なります。
※参考:国税庁 2023年5月 No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
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フリーランスが引かれる税金
フリーランスが売り上げから引かれる可能性のある税金は以下の通りです。
- 所得税
- 住民税
- 消費税
- 個人事業税
それぞれの税金が収入別でどのくらい引かれるのか紹介しましょう。
所得税
所得税とは同年の所得に対して課税される税金です。
売り上げから経費を差し引き、控除を踏まえた上で計算します。
収入別の所得税の目安を以下にまとめました。
収入の3割が経費であり、青色申告をしていると仮定してシミュレーションしています。
収入 | 所得税額 |
---|---|
300万円 | 53,500円 |
600万円 | 219,500円 |
900万円 | 626,500円 |
1200万円 | 1,059,100円 |
所得税は累進課税であり、所得が上がるほど税率も上がる仕組みです。
このため、所得に比例して、税金の負担額も増えていきます。
フリーランスエンジニアは源泉徴収税にも注意しましょう。
クライアントから源泉徴収税が引かれているケースがあります。
源泉徴収税はクライアントが本人に代わって税務署に納付してくれるのです。
そのため、フリーランスは所得税から源泉徴収税を差し引くことができます。
住民税
フリーランスの収入別の住民税の目安を以下にまとめました。
経費は収入の3割で、青色申告を選んでいるものとします。
収入 | 住民税額 |
---|---|
300万円 | 114,800円 |
600万円 | 324,800円 |
900万円 | 534,800円 |
1200万円 | 744,800円 |
住民税は地方の行政サービスを利用した経費を負担する名目で徴収される税金です。
住民税は均等割と所得割を合わせて計算します。
均等割は所得に関係なく定額で徴収される部分です。
所得割は所得の10%として計算されます。
基本的に住民税はどこの自治体でも税率が変わりません。
ただし、一部の自治体では超過課税をしているケースがあります。
消費税
フリーランスは売り上げが1,000万円を超えると消費税が課税されます。
そのため、売上高が1,000万円を超えるかどうか注意が必要です。
本来、すべての事業者には消費税を納税する義務があります。
ただし、売り上げが1,000万円を下回る場合は消費税が免除されるのです。
フリーランスがクライアントから受け取る報酬には消費税が含まれています。
消費税の課税事業者になる場合は、クライアントから受け取った報酬のうち消費税分の金額を後で納税しなければいけません。
ただし、消費税は売上高に含まれる消費税から仕入れで支払った分の消費税を差し引いた金額を納付します。
仕入れが多い場合には消費税が還付される場合もあります。
消費税の判定に用いる売上は、免税事業者の場合は税込の金額です。
個人事業税
個人事業税とは公共サービスを利用した費用を支払うことを名目に徴収される税金です。
事業者が所在している都道府県に対して個人事業税を支払います。
個人事業税には290万円の所得控除が適用されるのが特徴です。
そのため、課税所得が290万円を超えない限りは個人事業税が課税されることはありません。
個人事業税の税率は3~5%で設定されていて、業種によって異なります。
フリーランスエンジニアの場合は、請負業とみなされれば個人事業税の税率5%が適用になるのです。
ただし、フリーランスとして取り組んでいる案件の内容によって、個人事業税でどの業種に該当するかは異なります。
事前に税理士に問い合わせをしておくことが大切です。
・東京都主税局 個人事業税 税額の算出 各種控除額 ②事業主控除
・東京都主税局 個人事業税 法定業種と税率
・東京都主税局 個人事業税 法定業種と税率
・東京都主税局 個人事業税 法定業種と税率
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フリーランスは経費の見直しが大切
フリーランスの資金繰りを安定させるためには経費の見直しが重要です。
経費を見直す際のポイントを紹介しましょう。
フリーランスエンジニアには以下の固定費用が発生
- 家賃
- 水道光熱費
- 通信費
- 年金・保険
固定費は毎月必ず発生する支出です。
固定費の削減を図ることで、資金繰りに余裕が出てくるでしょう。
フリーランスエンジニアの場合、固定費の中でも特に負担が大きいものは家賃になることが多いです。
家賃を今より下げることができれば、大幅なコストカットにつながります。
今よりも1万円だけ安い賃貸を借りるだけでも、年間で12万円の費用を削減できるのです。
他にも、通信費の削減として、今よりも安いサービスに切り替えることでコストカット可能です。
ただし、業種によっては仕事でネット回線を頻繁に利用するケースが多く、回線を変更したことで仕事に支障が出る場合もあります。
インターネットの選定には気を配りましょう。
変動費用の見直し
フリーランスエンジニアとして働いていて発生する主な変動費用は以下の通りです。
- 原材料費
- 仕入原価
- 外注費
- 支払運賃
- 販売手数料
変動費は売上と連動しやすい指標です。
変動費を上げると、生産性の向上や機能面の向上により、売上も上がることが想定されるからです。
このため、一般的には、変動費用の見直しよりも、売上と連動しない固定費用の見直しの方が優先されます。
変動費用の見直しは安易に行わないことがポイントです。
過去のデータを確認して変動費用の中で増えた支出がある場合は、見直しを検討しましょう。
その際には、品質の低下を招かない範囲で変動費用の見直しを図りましょう。
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フリーランスは売上から経費や税金などを差し引いたものが手取り金額になります。
さまざまな税金が引かれて、事業を進める上での経費もかかるので、売上=手取りとはならないことには十分に注意しておきましょう。
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手取りを増やすならば、経費の見直しも大切ですが、高単価案件を獲得するなど、負担の少ないリモート案件で効率的にはたらくことも重要です。
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記事監修
桐蔭学園小学校・中学校・高校、中央大学卒業後、近藤会計事務所入所。2014年、26歳で税理士登録。2016年、28歳で祖父が開業し、父が承継してきた同事務所を3代目として事業承継。
先代たちが『税理士たるもの納税者のために体を張って頑張りなさい。』という理念の下に約半世紀に渡り事務所を運営。その理念を根幹としつつ、『かゆいところまで手が届く存在に。』『自分にできることは出し惜しみしない。』というエッセンスを加えて税理士業務に日々取り組む。
関わる全ての方々に敬意を持って誠実に対応することを強みとし、クライアントは(JASDAQ)上場企業から中小企業、フリーランス(個人事業主)と多岐に渡る。
事務所URL:http://www.kondo-kaikei.net/