2023.06.20更新

フリーランスは雇用保険に加入できる?失業保険の受給はできる?

働き方が多様化し、フリーランスになる人が増えています。

しかし、フリーランスの社会保険がどのような仕組みになっているのか、知らない人は多いのではないでしょうか。

この記事では、フリーランスを希望するエンジニアのために、雇用保険の概要、フリーランスは雇用保険に加入できるか、雇用保険で気をつけないといけないことなどについて紹介します。(2023年5月時点情報)

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そもそも雇用保険とは

雇用保険とは、労働者のための保険であり、労働者が失業した場合に必要な給付がもらえる制度です。

労働者の生活や雇用の安定を図ることを目的としています。

そのためフリーランスは雇用保険の対象にはなりません。

ただし、フリーランスが従業員を雇っている場合は、従業員は雇用保険の対象となり、対応をする必要があります。

ここから詳細を見ていきましょう。

労働者を自分が雇っている場合について

上述のように、フリーランスは雇用保険には入れませんが、1週間の所定労働時間が20時間以上であること・31日以上の雇用見込みがある労働者を一人でも雇っている場合は雇用保険に加入しなくてはなりません。

フリーランスは、個人事業主であっても労働者を雇っている場合「雇用保険+労災保険」に必ず加入する必要があります。

ただし、フリーランスの親族は雇用保険に加入できないため注意が必要です。

雇用保険は労働保険の一部

雇用保険は労働保険の一部であり「雇用保険+労災保険」を総称した言葉です。

労働保険は労働者を保護することを目的としています。

その他の社会保険

雇用保険の以外の社会制度には健康保険・年金保険・介護保険・労災保険があります。

健康保険

健康保険は、医療保険制度であり病院やクリニックで保険証を見せると一定の自己負担額で医療を受けられる仕組みです。

健康保険には国民健康保険・協会管掌健康保険・組合管掌健康保険・共済組合などがあります。

フリーランスも自分自身で健康保険に加入することが可能です。

年金保険

年金保険は現役世代が保険料を支払って、高齢者に年金を給付する仕組みです。

健康保険同様に働き方によって加入する保険が異なります。

フリーランスは「第1号被保険者」です。

厚生年金保険は、支払う保険料も受け取る年金額も国民年金より多めですが、フリーランスは厚生年金保険には加入できません。

そのため、不足分を自助努力する必要があります。

介護保険

介護保険は介護が必要になった場合、1割負担で介護サービスを受けられる制度です。

40歳を過ぎると加入が義務付けられるため、健康保険に付加され負担額が高くなります。

また、65歳以上になると年金から天引きされる仕組みです。

労災保険

労災保険は労働者が仕事中に事故にあった場合に医療費や賃金補償がされる仕組みです。

しかし、フリーランスは労働者としてみなされないため、労災保険には加入できません。

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フリーランスが雇用保険に加入したい場合にできること

上述の通り、フリーランスの場合、原則雇用保険に加入できません。

ただし、例外的に雇用保険に入れる場合があります。

ここから詳細に見ていきましょう。

フリーランスは被保険者になれない

フリーランスは被保険者にはなれません。

しかし、「フリーランス協会」が提供する「ベネフィットプラン」への入会で福利厚生を受けることが可能です。

「ベネフィットプラン」では下記のメリットがあります。

  • 情報漏洩や著作権侵害などのリスクをカバーする賠償責任補償がある
  • 健康診断・e-ラーニング・保育サービス・家事代行などを利用できる
  • 会計サービス・ChatWork無償アップグレードが利用できる
  • 労災保険を代替する所得補償制度に47.5%割安で加入できる

ベネフィットプランの年会費は10,000円です。

雇用保険ではありませんが、雇用保険に似たようなメリットを享受できるでしょう。

※参考:フリーランス協会 ベネフィットプラン 2023年5月現在

ダブルワークは副業先で加入できる

フリーランスは原則、雇用保険に入れませんが、ダブルワークで労働者として働いている場合には、雇用保険に加入できます。

しかし、雇用保険に加入するには以下の基準を満たす必要があり、注意が必要です。

  • 週20時間以上企業で働いている
  • 1ヵ月以上の雇用見込みがある
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フリーランスが雇用保険で気をつけないといけないこと

フリーランスは自分自身の事業において、自分が雇用保険に加入することはありません。

このため、ここで気をつけないといけないことは、誰かを雇用した場合です。

ここから具体的に見ていきましょう。

誰かを雇用した場合

従業員として誰かを雇った場合、雇用保険に入らなくてはなりません。

雇用保険に入る場合

雇用保険に入らなくてならない場合は下記の通りです。

  • 従業員が週20時間以上あなたの雇用下で働いている
  • 従業員が1ヵ月以上の雇用見込みがある

実際は「雇用保険+労災保険」の両方に加入する必要があります。

雇用保険の手続きは以下の通りです。

労災保険はフリーランスのみが負担し、従業員は保険料を支払う必要はありません。

親族の場合

上記に当てはまる場合であってもフリーランスと同居している親族の場合は雇用保険に加入はできません。

ただし、以下の場合は親族でも加入できる場合があります。

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フリーランスは失業保険を受給できる?

フリーランスは失業保険を受給できるのでしょうか?

雇用保険は別名を「失業保険」といいます。

失業保険は失業した場合に再就職するまで収入をもらえる保証制度です。

フリーランスは雇用保険の被保険者に該当しないため、失業しても原則として失業保険はもらえません。

しかし、例外もあります。

ここから具体的に見ていきます。

受給できる場合

会社員をやっていてフリーランスになるために退職した場合、条件を満たすと失業手当がもらえます。

受給資格決定日(離職票を出して求職を申し込んだ日)から7日間は「待機」です。

待機中に開業届を出すと失業保険の受給資格がなくなるため、失業手当を受給したい場合は、7日後に開業届を出しましょう。

また、会社を自己都合で辞めた場合、失業保険は待機期間終了後から3ヵ月間給付制限を受けます。

給付制限期間中の最初の1ヵ月の間にフリーランスとして活動すると失業保険がもらえません。

会社員を自己都合で辞め、失業手当を受給したい場合、受給資格決定日から38日を過ぎた後に開業届を出すのが望ましいでしょう。

注意する点

フリーランスとして活動しようとする人が開業届を出すまでの間にアルバイトをした場合、税務署に申告する必要があります。

不正受給が判明した場合、失業給付金の3倍の金額を科されてしまいます。

また、悪質な場合は詐欺罪に問われることもあるのです。

※参考:厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~ 2022年9月現在

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まとめ

フリーランスは労働者とみなされないため、雇用保険に加入できません。

しかし、「フリーランス協会」提供の「ベネフィットプラン」への入会で福利厚生を受けることが可能です。

会社員からフリーランスに転向し失業保険をもらうには、失業給付の受給資格決定日から38日後に開業届を出しましょう。

それ以前に開業届を出すと失業給付金がもらえません。

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記事監修

桐蔭学園小学校・中学校・高校、中央大学卒業後、近藤会計事務所入所。2014年、26歳で税理士登録。2016年、28歳で祖父が開業し、父が承継してきた同事務所を3代目として事業承継。
先代たちが『税理士たるもの納税者のために体を張って頑張りなさい。』という理念の下に約半世紀に渡り事務所を運営。その理念を根幹としつつ、『かゆいところまで手が届く存在に。』『自分にできることは出し惜しみしない。』というエッセンスを加えて税理士業務に日々取り組む。
関わる全ての方々に敬意を持って誠実に対応することを強みとし、クライアントは(JASDAQ)上場企業から中小企業、フリーランス(個人事業主)と多岐に渡る。
事務所URL:http://www.kondo-kaikei.net/

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