2023.08.15更新

フリーランスが加入する社会保険とは?社会保険料控除を受ける方法も紹介

フリーランスは自営業のため、基本的に加入する健康保険は国民健康保険です。しかし、条件付きではありますが、会社員からフリーランスに転身した人は、勤めていた会社の健康保険を継続する方法もあります。

また、職業によっては、同じ国民健康保険でも、国民健康保険組合が母体の保険に入ったほうがお得ということもあるでしょう。今回は、フリーランスが入ることができる健康保険の種類や選び方のコツ、社会保険料控除を受ける方法などを紹介します。

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社会保険の種類

社会保険とは、会社員が入ることのできる健康保険だけではありません。

広義の意味では、健康保険・雇用保険・年金保険・労災保険を総称して社会保険といいます。まずは、それぞれの保険がどのような役割を持つか解説していきます。

健康保険(公的医療保険)

健康保険は、病気になったり怪我をしたりしたときに医療給付や手当金を支給し、生活を安定させることを目的に定められた制度です。健康保険の種類は以下の3種類です。

  • 健康保険:協会けんぽ、組合健保、各種共済組合
  • 国民健康保険:市町村国保、組合国保、後期高齢者医療制度

健康保険は、会社員や公務員などが加入します。社会保険が適用される事業所で働いている場合は、事業主や本人の意思に関わらず必須で健康保険に加入することになります。

個人で事業を行っている場合でも常時5名以上の従業員を雇用している事業所は対象となります。国民健康保険は、主に自営業者などが加入します。

退職し、会社の健康保険を任意継続せずに脱退した人も、国民健康保険の加入対象です。後期高齢者医療制度は、75歳以上の人と65歳以上75歳未満で一定の障がいを持ち、認定を受けた人が加入する医療制度です。

年金

年金は、一般的には国民年金厚生年金の2種類を指すことが多いです。

国民年金

国民年金は、日本に住む20歳以上~60歳未満の全ての人に加入義務があります。国民年金のみに加入している人は、第1号被保険者と呼ばれます。この保険に加入している人が受け取れる年金は基礎年金だけです。

厚生年金

厚生年金は、「上乗せ年金」の1種です。会社員になると加入する「社会保険」の中には、厚生年金も含まれています。

2015年10月以降は、共済年金が廃止されたことにより、公務員や私立学校の教員も厚生年金に加入することになりました。

国民年金と厚生年金に加入している人は2号被保険者と呼ばれ、国民年金の基礎年金に加えて厚生年金が支給されます。厚生年金の保険料は原則会社と被保険者が折半して払います。

介護保険(公的介護保険制度)

介護保険は、「高齢者の介護を社会全体で支え合う」ことを目的として創られた保険です。被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40~64歳の第2号被保険者に分けられます。

第1号被保険者は、原因を問わず要支援・要介護状態となったとき、第2号保険者は末期がん・関節リウマチなど老化が原因の病気になり、要支援・要介護状態になったときに介護サービスを受けることが可能です。また、市区町村の定める介護認定の対象者になれば、認定レベルに応じて介護サービスを受けることができます。

労働保険

労働保険とは、雇用保険労災保険の総称です。以下にそれぞれの保険について解説します。

雇用保険

雇用保険は、失業に備える保険です。加入していれば失業したときに、失業給付金を受け取ることができます。

雇用保険は、「1週間の所定労働時間が20時間以上」「31日以上の雇用見込みがあること」という2つの条件を満たせば事業者は原則雇用した人を雇用保険に加入させる必要があります。

労災保険(労働者災害補償保険)

労災保険は、仕事中や通勤中に怪我をしたり死亡したりした場合、労働者およびその遺族のために、必要な保険給付を行う制度です。

原則として一人でも労働者を雇っている事業者はすべて、労災保険の適用となり、労働者であれば雇用形態に関係なく事業者は加入させる義務があります。

近年では病気や怪我の他、労働中のストレスによってうつ病になった人にも支給される例が増えてきました。

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フリーランスが加入しなければいけない保険・加入できない保険

フリーランスが加入しなければならない社会保険

フリーランスは自営業ですので、加入義務があるのは国民健康保険国民年金だけです。

会社員が健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4つに加入義務があるのに対し、フリーランスは会社に所属していないため、少なくなっています。

しかし、国民年金と国民健康保険だけでは、働けなくなった場合の補償がありません。そのため、民間保険などで不足分を補うか不測の事態に備えて貯金をすることをおすすめします。

フリーランスが加入できない社会保険

フリーランスが加入できない社会保険には、「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」があります。前述したように雇用保険は失業したときに失業給付金や休職支援を受けるための保険です。

フリーランスは雇用保険に入れないため、仕事がなければ収入は途切れてしまいます。また、仕事中に病気になったり怪我をしたりした場合も労災保険は下りません。

※ただし、営む事業によっては、適用労働者とみなされて、労災保険特別加入制度が適用される場合もあります。

なお、税務署へ開業届を出し会社員からフリーランスになった人は、失業給付金を受けられる対象であっても失業保険を受け取れない場合があるため、注意が必要です。

また、フリーランスで働きながら雇用保険の加入条件を満たす労働時間で人を雇う場合は、雇用保険への加入が必要になります。

確定申告で社会保険料を控除できる?

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確定申告で社会保険料を控除できる?

社会保険の種類によっては、確定申告で控除を受けることが可能です。ここでは、確定申告をすることで控除可能な社会保険の種類や控除を受ける方法を紹介します。

社会保険料控除とは

社会保険料控除とは、1年間支払った社会保険料について所得控除を受けることです。会社員も社会保険料控除を年末調整で行います。

フリーランスの場合は、自身で確定申告を行う必要があります。なお、この社会保険料控除は自分だけでなく、自分が生計を同じくしている家族の分も控除を受けることができます。

社会保険料控除の対象となる社会保険料

フリーランスとして働く場合、社会保険料控除の対象となる社会保険料は以下のようなものがあります。(詳細は国税局ホームページでご確認ください。)

  • 国民年金保険料
  • 国民健康保険料(または、国民健康保険税)
  • 介護保険料
  • 国民年金基金の加入員として負担する掛金など

控除を受けるには、自分や扶養している家族がどのような社会保険に加入しているかを把握しておきましょう。

社会保険料控除を受けるための手続き

社会保険料控除を受けるには、まず確定申告を行います。毎年確定申告の時期になると各種社会保険事業所から「控除証明書」が届きます。

それを元に控除額を計算します。ただし、国民年金保険料の控除証明書だけは、確定申告の対象となる年の9月までに納付した金額しか反映されていないため、注意が必要です。

10月~12月までの3ヵ月分は、年金を払った際の「領収証」を添付しましょう。また、日本年金機構に再度3か月分の控除証明書を発行してもらう方法もあります。

その他詳細は、国税庁のホームページにある確定申告作成コーナー閲覧しながら参考にして記載ください。どのような書類の添付が必要かは「給与所得者の保険料控除申告書」裏面に記載されていますので、確認してください。

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まとめ

今回は、社会保険の種類フリーランスが加入しなければならない社会保険加入できない社会保険、そして、確定申告で社会保険料を控除する方法を紹介しました。

フリーランスとして活躍していくためには、保険に関すること以外にも案件獲得などさまざまな悩みがあるでしょう。

そのような場合に力になれるのが、フリーランスITエンジニア専門エージェントの「HiPro Tech」です。当サービスでは、希望する案件を獲得し、安定して働くことができるようにするためのさまざまなサポートを行っています。

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記事監修

桐蔭学園小学校・中学校・高校、中央大学卒業後、近藤会計事務所入所。2014年、26歳で税理士登録。2016年、28歳で祖父が開業し、父が承継してきた同事務所を3代目として事業承継。
先代たちが『税理士たるもの納税者のために体を張って頑張りなさい。』という理念の下に約半世紀に渡り事務所を運営。その理念を根幹としつつ、『かゆいところまで手が届く存在に。』『自分にできることは出し惜しみしない。』というエッセンスを加えて税理士業務に日々取り組む。
関わる全ての方々に敬意を持って誠実に対応することを強みとし、クライアントは(JASDAQ)上場企業から中小企業、フリーランス(個人事業主)と多岐に渡る。
事務所URL:http://www.kondo-kaikei.net/

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