プロジェクトリーダー(PL)とは?役割やプロジェクトマネージャー(PM)との違いも紹介
IT系のエンジニアをしている人の中には、キャリアアップのためにプロジェクトリーダーを目指している人もいるのではないでしょうか?
しかし、いざ目指そうと思っても、プロジェクトリーダーに求められる役割や必要な知識を理解できていない人もいるかと思います。
この記事ではプロジェクトリーダーになりたい人に向けて、プロジェクトリーダーの役割、プロジェクトマネージャーとの違い、年収、取得すべき資格についてご紹介します。
(記載内容は、2025年5月時点の情報です。)
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プロジェクトリーダー(PL)とは?
プロジェクトリーダーはプロジェクトを推進する現場責任者です。
「PL」と略されることもあります。
プロジェクトリーダーの役割
プロジェクトリーダーの主な役割は「プロジェクトの推進」と「他領域との連携」です。
リーダーシップを発揮し、チームメンバーを率いてプロジェクトを成功に導くことが期待されます。
プロジェクトの推進
プロジェクトリーダー業務の大半は「プロジェクト推進」です。
例えば、現場責任者として、クライアントから要求された納期に間に合うよう、作業スケジュールを立て、チームメンバーに作業指示を出します。
メンバーの作業に問題が発生していないか進捗管理を行い、作業に遅延が発生しそうな場合はフォローしたり、問題が発生した場合は解決方法を検討したりします。
もちろん、メンバーの作業管理だけではなく、的確な指示を出すためにも、自身で設計内容を詳細に把握しておく必要もあります。
他領域との連携
プロジェクトは「サーバー担当チーム」「ネットワーク担当チーム」「ソフトウェア担当チーム」「アプリケーション担当チーム」のように複数チームで構成されるケースが多いです。
プロジェクトを成功に導くには、各チームの連携が重要です。
なぜなら、チーム内だけでは解決できない問題が発生するためです。
例えば、アプリケーションのテスト中にサーバーがダウンした場合は「サーバー担当チーム」と「アプリケーション担当チーム」で協力する必要があります。
チーム間の連携がスムーズにいかないと問題解決に時間を要します。
プロジェクトリーダーはチーム間の連携がスムーズにいくよう他チームの状況を把握したり、相談を受け入れる際の窓口役を担当したりします。
プロジェクトマネージャーとの違い
項目 | プロジェクトリーダー(PL) | プロジェクトマネージャー(PM) |
---|---|---|
管理範囲 | チームや現場の実行段階を担当 | プロジェクト全体を統括 |
主な役割 | 計画の遂行、現場の指揮や課題解決、現場作業に関与 | 計画立案、品質、コスト、納期、リスク、調達管理、マネジメント業務 |
関わる人 | チーム内や現場レベルの調整 | クライアントや経営層など主要ステークホルダーへの対応 |
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーは「管理する対象範囲」が異なります。
「プロジェクトを管理する」という点では、プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの役割はほぼ同じで、小規模なプロジェクトの場合は一人の担当者が兼任するケースもあります。
しかし、大規模なプロジェクトでは管理対象が増えるため一人では管理しきれなくなります。
そこで、チームを管理する「プロジェクトリーダー」とプロジェクト全体を管理する「プロジェクトマネージャー」というように分業します。
管理対象が広くなるプロジェクトマネージャーはプロジェクトリーダーの上位職にあたります。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の責任者としてクライアントなどステークホルダーへの報告も担当します。
関連記事:プロジェクトマネジメントとは?スキルや資格、成功させるコツを紹介 |
チームリーダーとの違い
項目 | チームリーダー | プロジェクトリーダー |
---|---|---|
目的 | チームの業務効率や成長を促進 | プロジェクトの目標達成 |
主な役割 | 日常業務の管理やメンバー育成 | プロジェクト計画、進行、リスク管理 |
管理範囲 | 同じ部署や継続的なメンバー | 異なる部署から集まるプロジェクトに関与するメンバー |
チームリーダーは、主に同じ部署やグループのメンバーをまとめ、日々の業務の効率化やメンバーの成長をサポートする役割です。
一方、プロジェクトリーダーは、特定のプロジェクトを成功に導くために、異なる部署から集まったメンバーをまとめ、計画立案や進行管理、リスク対応などを担います。
つまり、チームリーダーは日常のチーム運営を中心的に行い、プロジェクトリーダーはプロジェクトの進捗管理と達成に注力する点が主な違いです。
関連記事:成功する開発チーム作りとは?人員構成・リーダーのあり方や、アジャイル・スクラム開発とは? |
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プロジェクトリーダー(PL)の平均年収
転職サービス「doda」の調べによると、2024年12月時点でのプロジェクトマネージャーの平均年収は693万円です。
厳密には「プロジェクトリーダー」の平均年収ではありませんが、プロジェクトマネージャーはプロジェクトリーダーの上位職であるため、参考値として考えることができるでしょう。
プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーはいずれもプロジェクトの進行管理・監督に関わり、マネジメント業務が中心か、リードする業務が中心かで企業やプロジェクトによって適当に定義されていることが多いです。
※参考:転職サービス「doda」 年収の高い職業は?平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】(2025年5月時点情報)
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プロジェクトリーダーの平均年齢は?
プロジェクトリーダーの平均年齢は、一般的に30代前半から40代前半が多いと考えられます。
多くの企業では、プロジェクトリーダーには一定の実務経験や専門知識、マネジメントスキルが求められるため、20代後半から30代にかけてリーダー職に就くケースが増え、30代前半から40代前半がボリュームゾーンとなる傾向にあります。
IT業界では20代後半でプロジェクトリーダーに抜擢されることもありますが、プロジェクトの規模や難易度が上がるにつれて、より豊富な経験を持つ30代や40代のリーダーが多くなると考えられます。
プロジェクトリーダーは20代でもなれるの?
20代でもプロジェクトリーダーになることは十分可能です。
IT業界では年齢よりも実力や実績が重視される傾向が強くあり、専門知識やスキルを備え、成果を上げている人であれば、若くてもリーダーに抜擢されるケースもあります。
実際に20代でプロジェクトリーダーを任されている方もおり、年齢はあくまで一つの判断材料に過ぎません。
大切なのは、チームをまとめるリーダーシップやコミュニケーション能力、そして責任感を持って業務に取り組む姿勢です。
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初めてプロジェクトリーダー(PL)になるときに意識すべきこと
小さなトラブルにもしっかり対応する
プロジェクトを進行するにあたり、「プログラムが想定していた動作をしなかった」「チームメンバー間のコミュニケーション不足で作業内容を間違えた」「見積りより工数のかかる作業だった」といったトラブルが頻繁に発生することがあります。
小さなトラブルでも一つひとつを適切に対処していかなければ、少しずつプロジェクトに影響が出てきて、最終的に納期に間に合わなくなってしまう事態にもなりかねません。
そのため、小さなトラブルでもきちんと解決できるよう慎重に対応する必要があります。
チームメンバーやステークホルダーとコミュケーションが円滑に取れるようマネジメントする
プロジェクトが順調に進まない原因を分析すると、人間関係に起因しているケースが多々あります。
例えば、プロジェクトに必要な予算は設計者と営業が相談をしながら見積ります。
しかし、両者の連携が上手く取れず、コミュニケーションエラーが発生してしまうと、適切な見積りでなくなってしまう可能性があります。
こうした問題を防ぐために、コミュケーションが円滑に取れるようサポートすることもプロジェクトリーダーの仕事です。
また、チームのマネジメントをするにあたり、間違いやミスを容認する雰囲気作りが大切です。
ミスをした時に全員の前で特定の人物を責めるような行為は、各メンバーが失敗や批判を恐れて思っていることを言えない雰囲気を生み出しかねません。
こうした雰囲気になってしまうと、問題が発生しても担当者が恐れて報告をしなくなる可能性があります。
「人間ミスはするものだ」と受け止めて、担当者と一緒にミスの原因を突き詰めて、再発防止策を検討するようにしましょう。
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プロジェクトリーダーは実際しんどい?
プロジェクトリーダーの仕事は辛いものなのでしょうか。
よくある原因について解説します。
業務量が多い傾向にある
プロジェクトリーダーは、現場のエンジニアとしての作業に加え、チーム全体の進捗管理やメンバーのケア、トラブル対応など、リーダーならではの業務が発生します。
そのため、単純に業務量が増え、負担が大きくなるのが実情です。
エンジニアが社内に少ないなど、企業によってはエンジニアの業務量が多いことがありますが、リーダーになるとマネジメント業務も加わり、日々のタスクが膨れ上がることもあるでしょう。
エンジニアの繁忙期や緊急対応の際には、見積もりやクライアントへの連絡など、リーダーとしての業務が発生することも多くなります。
これにより、時間的や精神的な余裕がなくなり、しんどいと感じる人もいます。
管理職としての仕事が合わないことがある
エンジニアのキャリア志向とリーダー職の職務とのギャップにより、辛さを感じてしまうこともあるようです。
エンジニアとして手を動かして開発をすることにやりがいを感じている人にとって、プロジェクトリーダーとしての管理業務は合わない場合があります。
プロジェクトリーダーは、メンバーの調整や会議、進捗報告など、管理職としての仕事が中心となり、実際の開発業務からは距離を置く傾向にあります。
現場で技術を磨きたい、ものづくりに直接関わりたいという思いが強いエンジニアほど、管理職としての役割にストレスを感じやすい傾向にあります。
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プロジェクトリーダーに必要な能力3選
ここでは、プロジェクトリーダーになるために必要なスキル、求められる性質について解説します。
チームをまとめるリーダーシップ
プロジェクトリーダーにとって最も重要なのは、チームを一つにまとめるリーダーシップです。
リーダーは、プロジェクトのビジョンや目標を明確に示し、メンバーが同じ方向を向いて進めるよう導く役割を担います。
各メンバーの能力や性格を理解し、最適な役割分担を行うことで、チーム全体のパフォーマンスが上がります。
また、困難やトラブルが発生した際には率先して対応し、冷静な判断と柔軟な対応力でチームに安心感を与えることが求められます。
プロジェクトマネジメント
プロジェクトリーダーには、スケジュール管理やタスク管理といった基本的な進行管理能力に加え、リスク管理のスキルも不可欠でしょう。
プロジェクトは、常に予期せぬトラブルや遅延のリスクと隣り合わせです。
リーダーは、計画段階からリスクを洗い出し、トラブル発生時には迅速かつ的確に対処するための準備を整える必要があります。
常にプロジェクトの進捗状況を把握し、必要に応じて計画を修正しながら、納期や品質目標を守るための調整力が求められるでしょう。
社内外との調整や問題解決能力
プロジェクトリーダーは、場合によっては他部門やクライアントなどの社内外の関係者と連携しながらプロジェクトを進めます。
関係者同士の調整を行うためには、高いコミュニケーション能力と交渉力が必要です。
異なる立場や意見を持つ関係者間で合意を形成するためには、コミュニケーション能力に加え、説得力のある説明をする力も必要でしょう。
意見の対立や課題が発生した際には、冷静に状況を分析し、最適な解決策を導き出す問題解決力も求められます。
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プロジェクトリーダー(PL)が取るべき資格
プロジェクトリーダーは、さまざまな技術について包括的な知識が必要です。
このため、資格によってスキルを表すことができます。(2025年5月時点情報)
PMOスペシャリスト認定資格
日本PMO協会が運営しているPMO業務で必要な基礎知識を有していることを証明できる資格です。
プロジェクトリーダーとして必要な基礎が身に付けられるでしょう。
受験するためには、NPMO認定教材の学習を修了しているかつ同協会や他団体のプロジェクトマネジメント関連資格を取得している必要があります。
プロジェクトマネージャー試験
IPA(情報処理推進機構)が運営している情報処理系の国家資格です。
プロジェクトの全体計画を立て、必要なリソースを確保してスケジュールや予算の調整を計画的に実行できることを証明できる資格です。
IPAの発表によると合格率15.1%(2020年実績)と難易度が高い試験で、取得できればプロジェクトマネージャーへのステップアップにも繋がるでしょう。
応用情報技術者試験
IPAが運営している情報処理系の国家資格です。
経営戦略や情報戦略の立案に関して提案ができることや、アーキテクチャの設計ができるスキルなどが求められます。
そのため、ネットワーク、データベース、マネジメントなど試験範囲が幅広いのが特徴です。
資格を取得すると、高度情報処理技術者試験の一部の試験が免除されるため、プロジェクトマネージャー試験の受験前に挑戦する人も多くいます。
取得できればプロジェクトリーダーにステップアップできるチャンスが広がるでしょう。
PHP5技術者認定上級試験
PHP技術者認定機構が運営している試験です。
「PHPの言語仕様から実用的で高度なプログラミングスキルをもつ上級者」であることを証明できる資格です。
高度なプログラミングスキルを有していればメンバーに対して、技術的な指摘もできるため、プロジェクトリーダーとしての信頼が増すでしょう。
※参考:PHP技術者認定機構 PHP5上級試験/準上級試験ページ
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まとめ
今回はプロジェクトリーダーの役割や年収、取得すべき資格などを紹介してきました。
プロジェクトリーダーはフリーランスとしても活躍可能です。
サービスやシステムの開発において、プロジェクト単位でフリーランスと契約する企業は数多くあります。
特に、難易度の高いプロジェクトの場合は、経験やスキルが豊富なフリーランスと契約したい企業も多く、需要は高いでしょう。
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フリーランスエンジニアとしてはたらいたことがない人や、フリーランスになったばかりで案件獲得に不安がある人には、心強いサービスです。
実際に当サービスを利用してフリーランスのプロジェクトリーダーとしてはたらいている人も多くいますので、ぜひ活用してみてください。
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記事監修

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。