GCP認定資格の種類や勉強方法、資格取得のメリット
GCPとは、Google Cloud Platformの略称で、Google社によって提供されているクラウドサービスです。
AzureやAWSと並んで、三大パブリッククラウドとも呼ばれるため、市場の中では安定的な立ち位置を誇るクラウドサービスと言えるでしょう。
世界中で広く使われており、GCPを自由に活用できるエンジニアは非常に市場価値が高く、転職や独立にも有利です。
そこで、今回はGDPのスキルや知識を客観的に証明することができる資格について解説します。
(※記載内容は2021年10月時点の情報です。)
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GCP資格はどのようなものがあるのか?
Google社は、Google Cloud認定資格と呼ばれるGCPに関する資格を複数設けており、このGoogle Cloud認定資格を取得することで、GCPに関する知識を証明することができます。
サービス提供元のGoogle社が認定する資格であるため、おすすめの資格です。
GCPの認定資格を受験する条件
GCPの認定資格は、18歳以上であれば受験可能です。
Googleアカウントを作成し、認定資格の申し込みページにアクセスします。そこから受験登録を行い、受験料のを振り込みを行えば、申し込みは完了です。
試験実施箇所は選択制で、テストセンターでの受験を選択する場合は、近辺の場所から選択可能です。
オンライン試験も実施できますが、遠隔監視という条件がつきます。
そのため、自室にカンニングできる要素がない場合などはおすすめですが、そうではない場合は試験場として不適切になってしまうため、テストセンターでの受験がおすすめです。
合否メールの通知と有効期限
合否はメールで通知されます。点数のフィードバックはないため、合格したか否かのみの通知です。
結果が届くまでには、7~10日間かかります。
有効期限は試験を受けた日から2年間です。
再受験は有効期限が切れる60日前から可能になります。
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GCPの認定資格の種類(※)
GCPの認定資格は、一つではありません。
アソシエイトとプロフェッショナルのレベルに分かれており、その中で分野ごとに複数の試験に分かれています。
※参考:Google Cloud ホームページ(Google Cloud認定資格ページ)
Associate Cloud Engineer
GCPの認定資格の中で、最も一般的な内容となっているのが、このAssociate Cloud Engineerです。
アプリケーションのデプロイ、オペレーションのモニタリング、エンタープライズソリューションの管理を行うことができるかが問われます。
必要とされる能力
Associate Cloud Engineerで必要とされる能力は、以下の通りです。
- クラウドソリューション環境の設定
- クラウドソリューションの計画と構成
- クラウドソリューションのデプロイと実装
- クラウドソリューションの安定稼働の実現
- アクセスとセキュリティの構成
その他試験に関する情報
- 言語:日本語での受験が可能
- 登録料:125ドル(税別)
- 試験会場:全国のテストセンター
- 試験時間:2時間
- 推奨される経験:Google Cloud の実務経験6か月以上
Professional Data Engineer
Professional Data Engineerとは、その名の通り、GCPにおけるデータの扱いについてプロフェッショナルであることを証明する資格です。
データ処理システムの設計、構築、運用化、保護、モニタリングを行う能力が求められます。
また、既存の機械学習モデルの活用、デプロイ、継続的なトレーニングもできなければなりません。
必要とされる能力
Professional Data Engineerで必要とされる能力は、以下の通りです。
- データ処理システムの設計
- データ処理システムの構築と運用化
- 機械学習モデルの運用化
- ソリューションの品質の確保
その他試験に関する情報
- 言語:日本語での受験が可能
- 登録料:200ドル(税別)
- 試験会場:全国のテストセンター
- 試験時間:2時間
- 推奨される経験:Google Cloudの実務経験3年以上(GCPを使用したソリューションの設計と管理の経験1年以上を含む)
Professional Cloud Network Engineer
Professional Cloud Network Engineerとは、ネットワークエンジニアリング領域に特化した資格です。
既存のネットワーク アーキテクチャへの VPC、ハイブリッド接続、ネットワーク サービス、セキュリティの実装経験を生かし、コマンドライン インターフェースや Google Cloud Platform Console を使用してクラウドを確実に実装することが求められます。
必要とされる能力
Professional Cloud Network Engineerで必要とされる能力は、以下の通りです。
- GCP ネットワークの設計、計画、プロトタイピング
- GCP の Virtual Private Cloud(VPC)の実装
- ネットワーク サービスの構成
- ハイブリッド相互接続の実装
- ネットワーク セキュリティの実装
その他試験に関する情報
- 言語:英語のみ
- 登録料:200ドル(税別)
- 試験会場:全国のテストセンター
- 試験時間:2時間
- 推奨される経験:Google Cloudの実務経験3年以上(GCPを使用したソリューションの設計と管理の経験1年以上を含む)
Professional Cloud Developer
Professional Cloud Developerとは、Google Cloudを使ってアプリケーションを構築できる能力を示すことができる資格です。
クラウドネイティブアプリ、デベロッパーツール、マネージド サービス、次世代データベースを利用した経験が必要とされます。
さらに、少なくとも1つの汎用プログラミング言語に精通しており、コードのデバッグとトレースを行うための有意義な指標やログを生成できることが求められます。
必要とされる能力
Professional Cloud Developerで必要とされる能力は、以下の通りです。
- スケーラビリティ、可用性、信頼性に優れたクラウドネイティブ アプリケーションの設計
- アプリケーションのビルドとテスト
- アプリケーションのデプロイ
- Google Cloud サービスの統合
- アプリケーションのパフォーマンス モニタリングの管理
その他試験に関する情報
言語:日本語での受験が可能
登録料:120ドル(税別)
試験会場:全国のテストセンター
試験時間:2時間
推奨される経験:Google Cloudの実務経験3年以上(GCPを使用したソリューションの設計と管理の経験1年以上を含む)
Professional Cloud Security Engineer
Professional Cloud Security Engineerは、セキュリティエンジニアリングの領域に特化した資格です。
Googleのセキュリティ技術を活用して、安全なインフラストラクチャの設計、開発、管理できる力が求められます。
IDとアクセスの管理、組織構造とポリシーの定義、Googleのデータ保護技術の使用、ネットワークのセキュリティ防御の構成、Google Cloud Platform のログの収集と分析、インシデント対応の管理、規制に関する懸念事項の把握など、Cloud Security Professional はクラウド セキュリティ全般に精通している必要があります。
必要とされる能力
Professional Cloud Security Engineerで必要とされる能力は、以下の通りです。
- クラウド ソリューション環境内のアクセスの構成
- ネットワーク セキュリティの構成
- データ保護の確保
- クラウド ソリューション環境内のオペレーションの管理
- コンプライアンスの確保
その他試験に関する情報
- 言語:英語のみ
- 登録料:200ドル(税別)
- 試験会場:全国のテストセンター
- 試験時間:2時間
- 推奨される経験:Google Cloudの実務経験3年以上(GCPを使用したソリューションの設計と管理の経験1年以上を含む)
その他
上記で挙げた以外のGCP認定資格には、以下のようなものがあります。
- Professional Cloud Architect
- Professional Cloud DevOps Engineer
- Professional Collaboration Engineer
- Professional Machine Learning Engineer
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GCPの認定資格の勉強法
GCP認定資格は、どの資格も決して簡単な資格ではありません。
エンジニアリング未経験の人や経験の浅い人が合格することは、容易ではないでしょう。
ここでは、おすすめの勉強法を紹介します。
ドキュメントを読み込む
Google Cloud には、公式のドキュメントが存在します。
Googleが公開しているものであるため、オフィシャルな情報をダイレクトにキャッチアップすることができます。
しかし、学習用に作られたコンテンツではないので、資格取得の用途で使うには読みづらい場合も懸念されます。
本や問題集を独学で活用する
本や問題集を活用した独学という方法もあります。
GCPは世界中でメジャーなサービスであるため、日本語、英語共に幅広い入門書、資格対策本などの参考書が出版されています。
特に、アソシエイトレベルだと、GCPの実務経験を持っていれば、実務で習得したスキルや知識に加え、参考書で体系的な理解を補足することで合格できる人も多いかもしれません。
一方で、実務経験の浅い人は独学だと躓いてしまうことも多いようです。
自分のレベルに合わせた学習方法で行うことを意識しましょう。
基礎から学びたい人におすすめ『GCPの教科書』
GCPの主要サービスなどについて、全て記載されているのが『GCPの教科書』です。
フォローサイトもあるため、GitHubや補足事項が常に更新されるため学びも深めやすいです。
資格取得だけを目的としているわけではないため、GCPを体系的に学ぶことができ、基礎の理解には多いに役立つでしょう。
演習問題付なら『Google Cloud認定資格Associate Cloud Engineer公式ガイド』
アメリカで定評がある公式ガイドを日本語訳のが『Google Cloud認定資格Associate Cloud Engineer公式ガイド』です。
翻訳もGoogleが行っているため、技術的にも正確で誤りがなく、かつ最新の情報を確認できます。
講座を受講する
Courseraと呼ばれる、Google社が提供しているオンライン講座で、GCPに関する学習をすることができます。
Courseraはレベルに応じて5つのコースを選択することが可能であり、全てのコースを修了すると、修了証を得ることができます。
GCPトレーニングを受ける
GCPが認定したトレーナーが開催するトレーニング講座があり、こうした講座を受けてみるのもよいでしょう。
独学やオンライン講座では、質問できる機会が限られてしまうため、特に経験の浅い人は、GCPトレーニングを受講するのがおすすめです。
GCP認定資格に実際に合格しているプロフェッショナルの指導を受けることができます。
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GCPの認定資格を取得する目的・メリット
GCPの認定資格を取得するメリットは、以下の通りです。
キャリアアップやキャリアチェンジ、年収アップに有効
GCP認定資格は、スキル向上のみならず、キャリアップするための手段としても非常に有効です。
有資格者を優先的にプロジェクトにアサインするケースがあるためです。
資格を取得したことで、経験を積めるチャンスが増え、キャリアアップに繋がるかもしません。
さらに、企業によっては資格取得によって、インセンティブを設けている場合もあります。
収入が増えるチャンスにもなる可能性もあります。
このため、エンジニアとしてスキルアップをし、市場価値を高めていきたいという人にはおすすめです。
フリーランスとして独立する際に有利
フリーランスエンジニアの多くが、クラウドソーシングやエージェントなどを活用して案件を獲得しています。
その場合、案件を獲得する際には、クライアントとの間に別の第三者が入ることになり、これまでの経歴をまとめたスキルシートや職務経歴書などを活用するケースが多くなります。
スキルシートや職務経歴書では、自分のプロフィールや具体的なスキルを示すことになりますが、資格の記載があることで実績やスキルを証明する材料になります。
このため、フリーランスとして独立したいのであれば、自身のスキルを証明できる資格を取得しておくことはおすすめです。
クラウド分野でのスキルの向上
GCP認定資格は、単にGoogle Cloud Platformが使えるという意味だけではなく、クラウドに関する広範な知識を持っていることを証明できます。
なぜなら、GCP認定資格の試験範囲は非常に広く、かつ実践的な問題が多いためです。
実務でスキルをつけていくことも重要ですが、それだけでは知識やスキルに偏りが出てしまうことがあります。
しかし、GCP認定資格をとることで、網羅的・体系的にクラウドに関するスキルアップが狙えるでしょう。
学習習慣のきっかけになる
資格取得へ向けた勉強は、勉強の習慣をつけるきっかけになります。
GCP資格の取得を機会に勉強を習慣づけることができれば、今後も情報をインプットしようという姿勢は自分の中に残り続けるでしょう。
資格取得を一つのきっかけに、勉強や学習をする習慣を身に付ければ、その後もエンジニアとして恒常的にスキルができる土台を作れるでしょう。
資格取得だけにとどまらず、他の分野においても積極的にインプットをする体制を作りやすいです。
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
まとめ
GCP認定資格は、グラウドに関して体系的かつ実践的なスキルや知識を得ることができ、スキルアップも狙える有用な資格です。
クラウドやGCPを導入する企業は、近年急激に増加しています。
そのため、こうした資格やスキルや知識を持つ人材は、企業からの需要が多く、非常に市場価値も高くなっています。
また、企業側は即戦力になるスキルフルな人材を求める傾向にあり、フリーランスエンジアが活躍できる場が広がっています。
GCP認定資格を取得し、スキルアップやフリーランスへの独立を目指すエンジニアには、当社が運営する「HiPro Tech」がおすすめです。
当サービスは、フリーランスITエンジニア専門エージェントです。
上述の通り、企業のフリーランス活用が広まっていることから、スキルフルなエンジニアを求める案件を豊富に扱っています。
中には月額単価が90万円以上の高単価な案件や、最先端の技術環境で業務を行うことができる案件もあるため、そのような案件と出会う可能性が高まるでしょう。
キャリアップを望む人や資格取得により得たスキルや知識を実務で活かしたいと考える人は、ぜひ一度無料登録をしてみてはいかがでしょうか。
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記事監修
2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。