2023.08.15更新

PMOとは|業務内容や必要性・メリット、必要なスキルなどを徹底解説

近年、ITエンジニアとしてはたらく人は増え、それに伴い豊富なスキルや経験を有する人も増えています。

一方で、自分のITエンジニアとしての強みをなかなか見出せないという人が少なからずいます。

ITエンジニアとしてはたらくということは、習得したプログミングスキルを活用し、キャリアアップを目指すということだけではありません。

キャリアアップの候補には、PMOという道もあります。

今回は、キャリアアップを考えているITエンジニア向けに、PMOの業務内容や、PMOを目指すために必要なスキルを紹介します。

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PMOの基本情報

PMOと言われても、何のことを指しているのか分からないという人もいるのではないでしょうか。

ここでは、PMOの基本情報を紹介します。

PMOとは

PMOとは、「Project Management Office」の略です。

企業や組織内で、プロジェクト遂行の支援を専門にした部門・役割のことを指します。

各プロジェクトに横断的に携わる組織としてPMOが存在する企業もあれば、PMOのサービスを提供する企業と契約して、PMOを導入するケースもあります。

プロジェクトの業務遂行や人員管理などに責任を持つのはPM(Project Manager)ですが、PMOはPMのサポートをする役割を担います。

近年、プロジェクト単位で業務を進めるというはたらきが一般化する中で、PMの業務はプロジェクトのスケジュール及び進捗管理、予算管理、メンバーとのコミュニケーションなど多岐にわたります。

こうした業務がある中で、PMは迅速に間違いのない意思決定をし続けなければなりません。

しかし、多くの企業では、PMとしての専門的なスキルや知識を習得した人がPMになっているわけではなく、PGやSEとして活躍していた社員が、次のキャリアステップとしてPMに抜擢されるケースが多いようです。

研修などを設けてスキルや知識を習得させる企業もありますが、実際にはPMとして現場に出て、手さぐりに近い状態でPM業務を習得しているという側面も少なからずあります。

そのため、規模の大きいプロジェクトでは、PMがメンバーや資金、スケジュールなどの各所調整に工数を割き過ぎてしまうケースがあります。

そうなると、プロジェクトを推進するために、PMの業務で最も重要とも言える、正確な意思決定を行うことが阻害されてしまう可能性もあります。

そこで、各所の調整をPMOが巻き取ってPMの工数を削減するなど、PMのサポートをするのがPMOです。

PMOは、必ずしもプロジェクトの上段に入るわけではなく、たとえばシステム導入のケースでは、クライアント、ベンダー、下請け企業などの折衝といったフェーズでもPMOが入る可能性があります。

プロジェクトの成功のために必要なことや足りていないことを巻き取り、PMをサポートする役割がPMOには求められます。

 

PMOは役割によって種類分けされる

PMOの役割はPMのサポートですが、どの方向からサポートするかによって、いくつかの種類に分けることができます。

プロジェクトアドミニストレーター(PJA)

プロジェクトアドミニストレーターと呼ばれる役割は、プロジェクトに関するさまざまな管理業務を対応するPMOです。

会議の調整、スケジュール管理、情報管理など、プロジェクトを進めていく中で、大事な庶務業務を一手に引き受けます。

情報管理などは軽視されがちですが、プロジェクトに関する情報やプロジェクトを進める中で生まれたノウハウなどをしっかりと管理してプロジェクトチームに共有することは、プロジェクトをスムーズに進める上で非常に重要です。

プロジェクトコントローラー(PJC)

プロジェクトコントローラーとは、状況を整理して数値や表などに落とし込み、PMが意思決定をしやすいようにサポートをする役割です。

PMはプロジェクトが進行していく中で、さまざまな情報をもとに意思決定をしていく必要があります。

意思決定時に必要な情報をキャッチしにくかったり、バラバラな粒度でまとめられていたりすると、意思決定のスピードが遅くなってしまいます。

こうした中でプロジェクトの状況を整理して、PMに意思決定の素材を整った状態で提供するのがプロジェクトコントローラーの役割です。

プロジェクトマネジメントアナリスト(PMA)

プロジェクトマネジメントアナリストとは、プロジェクトコントローラーが整理した情報をより深く分析し、PMへ提案やアドバイスを行う役割です。

整理された情報をさらに分かりやすくすることや、分析によってはプロジェクトに潜むリスクを検知し予防策や対策を練ること、分析を繰り返したりすることで新たな示唆を生み出し、PMの意思決定の質を上げるのがプロジェクトマネジメントアナリストの役割です。

プロジェクトマネジメントコンサルタント(PMC)

プロジェクトマネジメントコンサルタントは、PMの参謀として、プロジェクト全体の進行や意思決定をリードする役割です。

1つのプロジェクトにPMOが複数名参画している場合に、PMOの統括としてプロジェクトマネジメントコンサルタントが置かれることも多く、PMと二人三脚でプロジェクト全体を推し進めていく責任があります。

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PMOの必要性・メリット

PMOを社外から導入する企業は、どのようなメリットを感じてPMOを導入しているのでしょうか。

社内のマネジメント力不足を改善できる

一般的な企業では、社内のマネジメント人材が不足しているケースがあります。

マネジメント陣は、PGやSEとしての業務遂行能力を買われてPMやPMOに抜擢されたという場合が多く、プロジェクトを管理・推進する専門的なスキルを持っていないという場合もあります。

また、IT業界などでは営業やマーケティング出身者がPMとなり、システムに関わるプロジェクトを推進することもあります。

こうした時に、PMにエンジニアリングの知識がないことから、プロジェクトチーム内で齟齬が生まれるということが起こりがちです。

こうした時に、エンジニアリングの知見があるPMOが入ることで、マネジメント力や専門知識の不足を補うことが可能です。

プロジェクト内での意思決定が迅速かつ正確になる

PMOが入ることでマネジメント力が強化され、プロジェクトの意思決定がより正確になり、またスピーディーになります。

PMOを外部から導入する場合、コスト面が問題になることがありますが、PMOを導入するコストよりも、プロジェクトが1ヶ月早く進むコスト削減効果の方が大きいようです。

こうした点で、近年PMOの存在が注目を集めています。

PMO

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PMとの違い

PMOにも役割によってさまざまな種類があり、情報の分析を通じてPMに提案を行うプロジェクトマネジメントアナリストや、PMの参謀としてプロジェクト全体の推進を担うプロジェクトマネジメントコンサルタントなどが存在します。

どれも意思決定に重要な役割ですが、やはり最終的な意思決定を行うのはPMです。

つまり、PMOは、PMが意思決定をするためのサポートとして重要な役割を担うものの、意思決定者ではないという点でPMと異なります。

( 関連記事:フリーランスのPMOとは?PMとの違いやメリット・デメリットを解説! )

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PMOに必要なスキル

PMOは、幅広い側面からプロジェクトを支えることのできる高度人材でなければ務まらないでしょう。

具体的には、以下のようなスキルが求められます。

幅広い知識と経験

PMOの仕事はあくまでもマネジメントであるため、実際に事業を立ち上げるための営業や、システム開発をすることはあまりありません。

しかし、当然それらの実務をマネジメントするためには、豊富な知識や実務経験が必須です。

実務経験を積んでいなければ間違った意思決定にPMを導いてしまうリスクもありますし、プロジェクトメンバーからの信頼も得ることは難しいでしょう。

たとえば、システム開発のプロジェクトにPMOとして携わるためには、ITエンジニアとしての実務経験が必要になるということがあります。

進捗管理能力

プロジェクトとは、噛み砕いて表現すれば、特定の期間内に一定の成果を出す業務のことです。

つまり、単に成果を出すだけでなく、特定の期間内に収めるということも非常に重要です。

このため、PMOにはプロジェクトの進捗度合いをしっかりと把握し、適切なスケジュールを設計する進捗管理能力が求められます。

わかり易い説明力と資料作成能力

プロジェクトにおいて、最終的な意思決定を行うのはPMですが、PMの意思決定に全てのプロジェクトメンバーが賛成しているというケースは決して多くありません。

多少の反発を買いながらも、責任を持って意思決定をしていくのがPMの仕事です。

ただ、少しでも多くのメンバーの同意・納得感を得ることは、プロジェクトの遂行において非常に重要です。

ここで必要になるのが、PMOです。

PMOはPMの意思決定をサポートするために情報を綺麗に整理整頓し、また、PMの意思決定を分かりやすくプロジェクトメンバーに伝達することが求められます。

このため、資料を分かりやすく作成する能力はPMOにおいて必須です。

また、PMは役員などに状況説明をする責任を負うケースもあり、説明をするための資料を、PMOがPMに代わり作成するという場面もあるため、資料作成能力も必要となります。

ビジネスマナーやコミュニケーション能力

PMOは、プロジェクト全体を円滑に進める潤滑油のような役割です。

そのため、プロジェクトメンバーからの信頼を勝ち取ることは、PMOとしてはたらく上での必須条件といっても過言ではありません。

特に外部からPMOとしてクライアントのプロジェクトに携わる場合には、たとえアウェーな状況であっても、プロジェクトメンバーの信頼を勝ち取ることが求められます。

このため、基本的なマナーや優れたコミュニケーション能力を求められます。

( 関連記事:PMOの需要・将来性は?案件獲得の方法やPMOとして仕事をするメリットとは )

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ITエンジニアがPMOとしてはたらくには

PMOとしてのエンジニアリング知識の必要性

システム開発などのプロジェクトでは、多くの場合エンジニアリングの知識がPMOにも求められます。

エンジニアリングの実務を理解していなければ、メンバーとのコミュニケーションを円滑に行うことが出来ないためです。

こうした理由から、近年IT企業が興隆していく中、エンジニアリングの知識を有しているPMOの需要が高まっています。

PMOになるためのステップ

IT業界未経験者であれば、求人から応募するのが一般的です。

しかし、PMO未経験者の求人枠は少ないと思いますので、まずは、ITエンジニアなどでエンジニアリングの知識を習得し、その後PMOを目指す方が賢明かもしれません。

ITエンジニア経験者であれば、ポテンシャル枠での採用もあるでしょう。

経験者の場合も、そのような求人に応募することで、PMOとしてのキャリアをスタートすることができます。

その際には、資格を取っておき、現職でのITエンジニアとして実績を積んでおけば、有効なアピールポイントとなるでしょう。

また、SIerなどでは、ITエンジニアの次のキャリアとしてPMOになるというキャリアプランを設定している企業も多く、そのような流れに乗ることもPMOになるための1つの方法です。

PMOの報酬はフリーランスの方が高い傾向にある

PMOとしてはたらくのであれば、報酬については、フリーランスである方が高い傾向にあると言われています。

PMOとして直接企業と契約をすることで、高い報酬が期待できるでしょう。

また、PMOは小さいプロジェクトであれば、一人でアサインされるケースも多いため、こうした点でもフリーランスと相性が良い職種と言えるでしょう。

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まとめ

PMOは、高度なビジネススキルが求められますが、フリーランスでPMO案件を獲得できれば、高い報酬で仕事をすることができるでしょう。

また、システム開発などの需要が高まっている昨今では、エンジニアリングの実務経験があるPMOは、企業から特に求められやすくなっているようです。

しかし、PMOとしてフリーランスではたらくにも、何のコネクションもない企業に直接営業をかけ、PMOとして契約しませんかなどと声をかけるのは非常にハードルが高いでしょう。

そこで、案件を探すためにはエージェントの活用が有効です。

当社が運営する「HiPro Tech」はフリーランスITエンジニア専門のエージェントで、月額報酬が100万円を越える高待遇の案件や、大手企業のPMO案件も扱っています。

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記事監修

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。

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