ITエンジニアが資格を取る必要性は?おすすめ資格を職種別に紹介
現役のITエンジニアや、ITエンジニアを目指したいと考えている人の中には、資格は必要ないと思っている人もいるかもしれません。
しかし、ITエンジニアとしてのキャリアや経験が浅い人、スキルアップを目指したい人にとって、資格は役に立つことが多いです。
なぜなら、実績が少なくても資格があれば、自身のスキルを示すことができるためです。
今回は、ITエンジニアにとっての資格の必要性や、取得しておきたい資格を幅広く紹介します。
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ITエンジニアにとっての資格の必要性
ITエンジニアになるために、資格は必ずしも必要ではありません。
しかし、資格を取得することで、自分の知識やスキルを客観的に示すことができるというメリットがあります。
また、未経験のITエンジニアは、エンジニアリングを学ぼうと思っても何をどう学べばいいのか分からない人も多いでしょう。
資格取得を目標にすれば、参考書などを使って、エンジニアリングに必要なスキルを効率よく学ぶことが可能です。
ITエンジニアに資格は必要なのかという問いに対する答えをまとめると、特に経験やスキルが浅いITエンジニアには、大きなメリットがあるということです。
もちろん、スキルフルなITエンジニアにとっても、資格を取得することで、知識や経験のブラッシュアップに繋がるというメリットがあります。
ITエンジニアに資格はいらないという意見
ITエンジニアには資格がいらないのではないかという意見もあります。
例えば、「知識をインプットしても問題が4択であるために、テクニックで合格できる。
本質的ではない」「資格を持っていても実務で活躍できる人が全てである」という意見です。
資格は取得するだけでスキルが格段にアップするわけではありません。
あくまで、自身のスキルを客観的に証明する材料であるということは心得ておきましょう。
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ITエンジニアが資格を取るメリット
メリットは、主に以下の3点です。
スキルアップに繋がる
資格取得がスキルアップに繋がるということは、大きなメリットの一つです。
日々の業務などでスキルを習得していると、実践的なスキルは身につきますが、断片な理解になってしまう傾向があり、体系的な理解が不足しがちです。
この点、資格は特定分野の知識を網羅的に学ぶことができるため、より理解が深まりやすくなります。
企業によっては資格手当がもらえる
資格を保有していると、一定のスキルや知識があることを証明することができます。
このため、企業によっては特定の資格を持っていると資格手当が出る場合があります。
資格の取得が年収アップに直結することも期待できるのです。
就職・転職・独立で有利になる
資格を保有しているということは、自分のスキルを証明することにも繋がります。
そのため、就職、転職、独立などの際に有利に働きやすいでしょう。
いくら実践的なスキルがあっても、就職や転職の際の面接では、全てを伝え切ることは難しいでしょう。
その分、資格があれば一言で「どのようなスキルがあるのか」を示しやすくなります。
フリーランスとして独立する際には、さらに資格が役に立つでしょう。
なぜなら、フリーランスは就職や転職と比較して、面談回数が少ないことが多く、職務経歴書などの書面情報から案件依頼の有無を判断されることもあるためです。
このとき、同じスキルの持ち主であっても、プロフィール上に実績だけを記載するよりも、実績に加えて資格の記載があると、より自身の経験やスキルをアピールすることができます。
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資格の種類
資格と一口に言っても、どのような資格があるのか分からない人も多いことでしょう。
ここでは、まずは資格というものがどのような分類をされるものなのかについて紹介します。
国家資格
国家資格とは、文字通り国家によって認められた資格です。
法律で規定されており、知識・技術が一定以上のレベルであることを認定された証となります。
エンジニアが習得する資格としては、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が行っているものが挙げられます。
業務独占資格
業務独占資格とは、その資格を持った人しか、その業務ができない資格のことですが、IT業界においては、業務独占資格は存在しません。
名称独占資格
名称独占資格は、資格を取得することでその名称を名乗ることができる資格です。
公的資格
公的資格とは、国家資格と民間資格の中間に位置付けられることが多いです。
実施自体は民間団体や公益法人の「民間」が行い、文部科学省や経済産業省などの官庁や大臣、すなわち「国家」が認定している資格です。
国家資格ではないものの、著名な資格、スキルアップに繋がる資格が多く存在します。
民間資格
民間団体、民間企業が審査基準を設けている資格が、民間資格です。
例えば、PCやソフトウェアを作っているメーカー、ベンダーが自社製品に対する操作技術、理解を問う資格などは民間資格に該当します。
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ITエンジニアとして取得しておきたい資格【全職種】
ここでは、ITエンジニアであれば取得しておきたい資格を紹介します。
国家資格
基本情報技術者試験
ITエンジニアとして基礎的な知識・技術が身についていることを証明する試験です。
ITエンジニアの登竜門とも言われています。
比較的基礎的な内容が多く、難易度としてはそこまで高くありません。
未経験者がITエンジニアとして就職、転職を考える際には押さえた方が良いといえるでしょう。
※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
基礎情報技術者試験の一段階レベルの高い資格です。
ITエンジニアとして応用的な知識・スキルがあることを示すことが出来ます。
特に受験資格等はなく、基本情報技術者試験を合格していなくとも、応用情報技術者試験を受験することも可能です。
しかし、基本情報技術者試験より難易度はかなり高いものになり、IT技術を活用した戦略立案や、経営・情報戦略立案などに関する知識が問われるため、合格するためには十分な準備が必要です。
※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 応用情報技術者試験
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験とは、システム開発において企画・設計などの上流知識を有しており、その指導が出来ることを証明する試験です。
合格率は約15%(※1)と低く、非常に難易度の高い資格です。
その分、資格手当の対象にシステムアーキテクト試験が含まれている企業も多いです。
※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 システムアーキテクト試験
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験とは、ネットワークの構築に携わるネットワークエンジニアを目指す人が取得しておくと良い資格の一つです。
合格率はシステムアーキテクト試験と同様に約14%(※2)と低く、難易度は高いです。
ネットワークスペシャリスト試験を取得しておけば、一流のネットワークエンジニアを名乗ることができるでしょう。
※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 ネットワークスペシャリスト試験
民間資格
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERとは、「ORACLE Database」というデータベースを扱うための技術力を認定する資格です。
ブロンズからプラチナまでの4段階までがあります。
オラクルマスターを取得することで、データベースエンジニアのとしての能力を証明できます。
※参考:ORACLE MASTER
AWS認定
AWSを活用したクラウドサービスについて、体系的な知識・スキルを有していることを証明する資格です。
難易度に応じて、ベーシック、アソシエイト、プロフェッショナルに分かれており、まずはアソシエイトの1つであるソリューションアーキテクト・アソシエイトから取得するとよいでしょう。
近年、AWSを利用する企業は急増しており、AWSに関する知識や経験を持っているITエンジニアの需要も高まっています。
そのため、市場価値を高めることができる資格といえるでしょう。
※参考:AWS認定
関連記事:AWS認定資格全12種類の難易度、資格を取るメリットや独学や講座などの勉強方法とは
MCP(マイクロソフト認定資格)
マイクロソフト認定資格は、マイクロソフト社のWindowsサーバーに関する知識や技術を証明することができる資格です。
世界150国以上で試験が実施されており、Windowsは世界中の人が利用しているため、全世界に通用する技術を身に付けることができるといっても過言ではありません。
※参考:マイクロソフト認定資格
シスコ技術者認定
シスコ技術者検定は、シスコシステムズ社の製品に関する技術力を証明する資格です。
製品に関する技術の理解を通じて、ネットワークの基礎技術全般を証明することができます。
エントリーからアーキテクトまでの5段階があり、自身の身に付けたいスキルに応じて取得するとよいでしょう。
※参考:Cisco シスコ技術者認定
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ITエンジニアとして取得しておきたい資格【職種別】
最低限の基本知識として、既に紹介した資格を習得しておくことは重要ですが、業務と関係のない資格を取得しても意味がありません。
職種別におすすめの資格を紹介します。
あくまで参考例であるため、業務において役立つかどうかを重視して資格取得を検討してください。
Web系エンジニア
Web系エンジニアは、フロントエンドやバックエンド、ネイティブアプリの開発を担当します。
プログラミングのスキルとしては、JavaやRuby、PHPなどの言語のスキルがあることが重要です。
先述した内容と重複しますが、以下の資格がおすすめです。
IPAが主催する「ITパスポート試験」は、非エンジニアでも受験可能です。
このため、初学者向けの内容になっています。
しかし、IT全般の基礎知識を学べるため、フロントエンドの初学者などであれば、受験はおすすめです。
また、Javaのスキルを包括的に確認できる「Oracle認定Javaプログラマ」はおすすめです。
( 関連記事:Web系エンジニアの種類や仕事内容、今後の働き方について )
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、担当する領域によっておすすめの資格は異なります。
以下の資格をとるエンジニアが多いでしょう。
- ネットワークスペシャリスト
- データベーススペシャリスト
- Linux技術者認定 LinuC
- Cisco技術者認定 CCNA
- AWS認定
- ORACLE MASTER(オラクルマスター)
「ネットワークスペシャリスト」は、情報処理技術者試験の中でも高度試験であり、応用情報技術者よりも難易度がさらに上がります。
ネットワークの企画・要件定義・設計・構築から運用・保守まで全てに知識があるエンジニアではないと、試験に合格するのは難しいでしょう。
「Linux技術者認定 LinuC」「Cisco技術者認定 CCNA」「AWS認定」「ORACLE MASTER(オラクルマスター)」これらは、ベンダー資格になるため、業務で使うことがあれば、受験を検討することがおすすめです。
今後のキャリアアップのためには受験しておくと良いでしょう。
( 関連記事:インフラエンジニアとは?年収・スキルや資格、メリット・デメリットも解説 )
( 関連記事:インフラエンジニアが取得すべき資格9選。国家資格とベンダー資格それぞれ紹介 )
その他のエンジニア
例えば、セールスエンジニアである場合は、基礎知識があった方が業務にも役立てやすいため、「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」などがおすすめです。
他にも、テストエンジニアであった場合には、「JSTQB認定テスト技術者資格」などを受験するのが一般的です。
エンジニアの種類や役割によって、業務が異なる分、評価される資格も大きく異なります。
自分の業務に活きるかどうかをしっかりと判断することが重要です。
( 関連記事:セールスエンジニアの概要や必要なスキル、資格、キャリアパス、年収などを紹介 )
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まとめ
ITエンジニアになるためには、必ずしも資格は必要ではありません。
しかし、未経験からITエンジニアを目指す人や、ITエンジニアとして独立を考えている人にとって、資格の取得は大きなメリットになるでしょう。
フリーランスとして独立した際、エージェントのプロフィールページなどに資格を書いておくことで、自分の持っているスキルや知識が企業側に伝わりやすくなります。
ITエンジニアとしてのスキルアップやフリーランスへの独立を考えている人にとっては、資格の取得をおすすめします。
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そのため、資格を取得したことのメリットを感じることができ、さらなるキャリアにつなげることができるでしょう。
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記事監修
2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。