2023.08.01更新

セールスエンジニアの概要や必要なスキル、資格、キャリアパス、年収などを紹介

セールスエンジニアという職業は知っているものの「どのようにしてセールスエンジニアになるのか」「どのような人がセールスエンジニアに向いているのか」などを理解できていない人もいるかもしれません。

今回は、セールスエンジニアの仕事内容ややりがい、キャリアパス、年収、取得をおすすめする資格などについて解説します。

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セールスエンジニアとは

セールスエンジニアは、その名の通りエンジニアリングと営業の両方を担当する職種です。

IT系企業やメーカーで活躍するケースが多く、クライアントに製品やサービスを営業する際に、営業担当者だけでは答えきれない技術的な部分の知識をサポートします。

営業は製品やサービスについて理解しているべきですが、エンジニアリング関する専門的な分野まで理解することが難しいことがあります。

その結果、クライアントからの質問にスムーズに答えられないようなケースがあります。

そのような時に備え、セールスエンジニアはエンジニア寄りの知識を持ち、営業担当をサポートします。

提案段階から参画する場合もあれば、実際に提案をするプレゼンの場で質問担当者として参加する場合もあります。

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セールスエンジニアと営業職の違いについて

セールスエンジニアと営業職の違いは、担当する業務範囲です。

一般的な営業職は、製品やサービスをクライアントに売るために、商談や提案、各種交渉作業を行います。

クライアントの要望を踏まえ、どのような製品やサービスをどの程度の価格で提供できるのかを提示し、契約を締結し、最終的に売上を生み出す役割です。

それに対してセールスエンジニアは、製品やサービスの専門知識について解説する役割を担います。

営業職のようにクライアントと価格交渉をすることは少なく、契約の締結作業なども対応しないことが多いです。

あくまでも技術的な部分の説明が中心です。

セールスエンジニアは、営業よりもエンジニアの側面が強い職種であり、エンジニアからセールスエンジニアになる人も多くいます。

ただし、セースルエンジニアにも、自社の製品の仕様や良さを魅力的に伝え、契約締結に貢献するといった姿勢も求められます。

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セールスエンジニアは文系でもなれるのか

文系出身のセールスエンジニアは増えている

現在は文系出身のセールスエンジニアが増えています。

これまでは理系出身者の職業という印象がありましたが、状況は大きく変化していると考えましょう。

実際、情報処理推進機構が公開しているIT人材白書(※)によると、エンジニアの30%以上が文系出身です。

※1情報処理機構 2020年「IT人材白書2020」

現在はプログラミングスクールなどもあり、文系出身者でもエンジニアになることは可能です。

そのため、セールスエンジニアについても、文系でもなれると考えて良いでしょう。

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セールスエンジニアにおすすめ資格

応用情報技術者試験

IT系の資格として有名なものが情報処理推進機構の提供する国家資格です。

その中でもセールスエンジニアにおすすめなのが応用情報技術者試験です。

こちらの試験は技術的な内容はもちろん、経営や管理などエンジニアに関連する業務についても問われます。

セールスエンジニアは技術的な内容だけではなくビジネス的な領域にも関わるため、取得する資格として最適です。

※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 応用情報技術者試験

ITストラテジスト試験

情報処理推進機構が提供する情報系の国家資格です。

「経営戦略」「IT戦略」「具体的なIT化」など、経営層レベルの知識が問われます。

ITストラテジストには、顧客のビジネスを理解し、戦略を立てることや戦略を実現するための提案ができることが求められます。

このスキルが備われば、セールスエンジニアとして「適切なIT製品やサービスが提案できる」ことにも役立つでしょう。

※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 ITストラテジスト試験

セールススキル検定

特定非営利活動法人のセールスコーチング協会が実施する検定です。

検定の合格によって個人の営業力を証明できます。

検定では営業職に求められるさまざまなスキルが問われます。

例えば「セールスマナー」「関係の構築手法」「営業計画の立案や実行」などが段階的に問われるようになっています。

検定は3級から1級まであり、検定の問題は体系的な理解が問われることが多いです。

そのため、受験する検定に合わせて学習すれば、営業に関する体系的に知識を身に付けられます。

※参考:特定非営利活動法人 セールスコーチング協会 セールススキル検定

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セールスエンジニアに必要なスキル

技術的知識

最も重要なのは、技術的知識の充実です。

セールスエンジニアは専門知識の補完をする役割なため、技術的知識が不足していては役目が果たせません。

例えば必要とされるのは「製品ごとに利用されている技術の違いを把握」「最新技術の説明力」「技術の採用理由」などです。

顧客からはさまざまな質問が出ますので、それらに答えられる知識を身に付けておく必要があります。

また、これらの知識をアップデートすることも必要です。

製品やサービスが改良されれば、新しい知識を持つ必要があります。

分かりやすく説明する能力

「プレゼンテーション資料」「パンフレット」「質疑応答」など、さまざまな場面で分かりやすい説明ができる必要があります。

顧客は専門知識が無い場合が多いので、専門用語を少なくし、分かりやすく伝える必要があります。

エンジニアは日頃から専門用語を利用しているため、顧客にも専門用語を使ってしまいがちですが、顧客にとって分かりやすい説明にするために、専門用語を少なくし、知識が無くとも理解ができる説明をする能力が必要です。

顧客との関係構築力

顧客との関係性構築もセースルエンジニアの重要な役割の一つです。

他社から同じような提案があった場合は、「こちらの営業担当者の方が良い対応だった」などの要素も判断基準になることがあります。

そのため、「丁寧な説明をしてくれたか」「疑問に対して適切に答えてくれたか」などは重要となり、この点を意識した関係構築力も必要です。

セールスエンジニアに適性がある人

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セールスエンジニアに適性がある人

どのような想いを持っている人がセールスエンジニアに向いているかをここで紹介します。

より深く顧客とかかわりたい

一般的なエンジニアと比較すると、顧客に向けた説明やプレゼンテーションを行うことが多いため、セールスエンジニアは顧客と密に接する機会が多いです。

そのため「より深く顧客と関わりたい」と考えている人におすすめです。

顧客と関わるということはフロントに立ち、会社の顔として顧客に信頼してもらうことが大事なため、そういった点にやりがいを感じる人は適性が高いといえます。

「自分が開発に携わるシステムの魅力をお客様に伝えることができる技術職に就きたい」「単に開発をするだけなく、直接顧客の声を聞き開発にも活かしていきたい」など、お客様と直接話すことを重視しながら、技術職になりたい人が向いています。

技術的な仕事だけでなくプレゼンテーションや交渉がしたい

セールスエンジニアはクライアントへプレゼンテーションをする場合があります。

エンジニアとして開発などの業務だけでなく、「提案活動もしたい」「顧客のビジネスの課題を解決したい」などの想いがある人にセールスエンジニアはフィットするでしょう。

ただ、プレゼンテーションは、どんなエンジニアでも行います。

フロントエンドエンジニアもWeb設計の意図をクライアントにプレゼンテーションすることがありますし、比較的内部の作業が多いかと思われがちなセキュリティエンジニアでも、顧客の前に立ってサイバー攻撃の現象を説明することもあります。

一方で、セールスエンジニアが行うプレゼンテーションは、交渉要素があり、課題を解決するための提案を行うことが特徴です。

顧客の課題を解決するために、課題や現状をヒアリングし、解決に向けた戦略を考え、それをロジカルに提案するなど、ヒアリング力や思考力が問われます。

このような力をつけたい人や持っている人には、おすすめの仕事といえます。

好奇心が強く顧客のビジネスに関心がある

顧客のビジネスに関心があり、課題を解決したいと考える人には適性があると考えられます。

顧客のビジネスによって、求める技術は異なります。

セールスエンジニアはその点を汲み取って、適切な製品やサービスを提案する必要があります。

営業だけでは把握できない専門的な内容を加味し、顧客のビジネスをより良くしたいと考える人には適性があるでしょう。

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セールスエンジニアの年収

AIメディアを運営するエッジテクノロジー株式会社の調べによると、セールスエンジニアの年収は平均615万円です。

一般的なエンジニアの平均年収は450万円程度ですので、エンジニアの相場よりも高い年収を得られる可能性があるでしょう。

年収は働いている企業や職歴、年齢などによって異なります。

年齢別に年収をまとめてみると概ね以下のとおりです。

・20代:380万円~430万円
・30代:550万円~600万円
・40代以降:590万円~640万円

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セールスエンジニアのやりがい

実績を数字や実例で感じやすい

セールスエンジニアは技術分野の説明だけではなく、製品やサービス導入時の試算も行います。

コストや人材、事業にどのようなメリットを与えるのか試算し、提案を行います。

契約後には、試算した効果が出ているかを確認します。

実績が数字として表れていれば「提案してよかった」と感じられ、やりがいにも繋がるでしょう。

そのような実例が積み重なれば「顧客が導入してくれる喜び」を日々感じられるようになります。

インセンティブ報酬という体系の場合もある

自分が行った実務が、実績として数字になるため、実績に応じたインセンティブがつく企業があります。

自分が挙げた実績や売上が目に見えてわかり、その結果、昇給や昇進に繋がることもあるので、やりがいを感じやすくなります。

数字という体系的な指標もあるので、次の目標や目指す先も定めやすくなるでしょう。

信頼獲得が実感できる

セールスエンジニアは、顧客と直接コミュニケーションを取る機会が多い職業です。

多くのコミュニケーションを取り続けていくうちに信頼関係を構築できている感じられ、これもやりがいに繋がります。

「〇〇さんのおかげで、システム活用前と比較して仕事の効率が上がったんだ!」「わからないことがあったら〇〇さんに直接聞けるから、嬉しいよ」など、顧客から声をかけてもらうことができ、実際に自分の仕事が役に立っていることを実感することができます。

営業としてもエンジニアとしてもスキルアップできる

セールスエンジニアは、営業職と非常に近い働き方をします。

お客様との商談に行き、新規顧客の開拓をする場合もあります。

このため、ヒアリング力や提案力、顧客折衝力など、営業に必要なスキルが身に付けることができます。

エンジニアとしての経験だけではなく、営業職の経験も積むことができ、スキルアップの幅を広げることも可能です。

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セールスエンジニアのキャリアパス

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、ビジネスの課題をITで解決するための仕事です。

経営的な観点を持ち、経営上の課題をどのようにすれば解決できるかを考えます。

経営層に近い職種ですので、求められるスキルが高く年収も高まります。

ビジネス的な観点を持つセールスエンジニアのキャリアパスの一つです。

ITアーキテクト

ITアーキテクトは、企業のIT戦略に基づいて最適なシステムの提案から維持・保守といった役割を担います。

「どのようなシステムを導入するか」などを決めるため、ビジネス的な観点が必要とされます。

事業戦略の立案に関わる場合もあり、ビジネススキルとエンジニアスキルの両方が深く求められます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、責任者として適切にプロジェクトを推進します。

メンバーの選定から始まり、顧客の窓口になったり進捗管理をしたりするなど、プロジェクト全般の管理をします。

顧客とのコミュニケーションも多く発生するため、セールスエンジニアのスキルを活用できます。

エンジニア要素はやや少なくなりますが、多くの人と接したい人向けのキャリアパスです。

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まとめ

セールスエンジニアは営業と並走する仕事です。

営業だけでは専門的な技術は理解しきれませんので、セールスエンジニアがサポートします。

顧客と直接関わる可能性がある立場であり、IT技術に関する知識コミュニケーション能力なども必要です。

なお、セールスエンジニアとしてスキルを身に付けた際にはフリーランスとして独立するという道もあります。

スキルフルなフリーランスであれば、企業の経営やIT戦略に深く関わる案件を依頼されることもあり、習得したスキルや知識、経験を活用し、より難易度の高い案件に挑戦することも可能です。

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( 関連記事:プリセールスエンジニアになるには?必要なスキルやキャリアパスを紹介 )

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記事監修

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。

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