フリーランスエンジニアの年収中央値は?単価相場を職種別、案件別に解説
近年はITの発達により、パソコン一台あれば十分に仕事ができる時代です。
そして、はたらき方の多様化により、フリーランスとしてはたらく人が増加しています。
特に、エンジニアはフリーランスのはたらき方と相性が良く、フリーランスのエンジニアも増えてきています。
そんなフリーランスエンジニアは、どれほどの収入を得ているのでしょうか。
この記事では、フリーランスエンジニアの収入面について紹介します。
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
フリーランスエンジニアの年収相場はどのくらい?
近年では、企業のDX推進やIT人材不足を背景に、フリーランスエンジニアの需要は引き続き増加傾向にあります。
また、企業の業務システムや事業の効率化だけでなく、プロダクトや提供するサービスにおいても生成AIの技術を導入することによる他社との差別化が重要となりつつあります。
このような状況下であることから、柔軟なはたらき方や高い専門性を有するフリーランスエンジニアに対して高い報酬を支払う企業が多く存在します。
フリーランスエンジニアの平均年収(中央値)
IT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」の調査では、フリーランスエンジニアの月額の単価相場は月90〜100万円程度です。
また、ITコンサルタントやプロダクトオーナーなど上流の工程となるとさらに高い単価が期待できるでしょう。
このデータから、当サービスを利用しているフリーランスエンジニアの平均年収は、単純計算をすると1,000〜1,200万円程度と推定されます。
ひとくちにフリーランスエンジニアといっても、職種や扱う言語によりニーズや市場価値がそれぞれ異なります。
そのため、どのような職種・言語が特にニーズが高いのか、次項で解説します。
※参考:IT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」 ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング~2024年の市場動向と2025年の展望~
【職種別】フリーランスエンジニアの案件単価相場
ここではフリーランスエンジニアの案件単価相場を職種別に紹介します。
フリーランスエンジニアの職種別案件単価相場は以下の通りです。
職種 | 単価 |
---|---|
機械学習・AIエンジニア | 約120.0万円 |
モバイルアプリエンジニア | 約97.2万円 |
データサイエンティスト | 約95.8万円 |
セキュリティエンジニア | 約93.4万円 |
クラウド・SREエンジニア | 約91.6万円 |
データベースエンジニア | 約91.0万円 |
リードエンジニア | 約88.7万円 |
IoTエンジニア | 約88.0万円 |
フロントエンドエンジニア | 約86.1万円 |
ゲームエンジニア | 約84.9万円 |
ネットワークエンジニア | 約83.3万円 |
サーバーエンジニア | 約83.0万円 |
バックエンドエンジニア | 約82.3万円 |
業務系アプリケーションエンジニア | 約80.8万円 |
機械学習エンジニアやデータサイエンティストなどの職種は、企業のDX推進やIT戦略の実行、AI・データ活用の高度化といった需要の高まりを背景に、特に高単価となっています。
また、他にもフロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、クラウドエンジニア、サーバーエンジニアなどの職種も、スキルや経験によっては月額80万円以上の案件も珍しくありません。
※参考:IT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」 ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング~2024年の市場動向と2025年の展望~
【言語別】フリーランスエンジニアの案件単価相場
次に言語別にフリーランスエンジニアの案件単価相場を紹介します。
フリーランスエンジニアの言語別の単価相場で、特に単価の高い案件は以下の通りです。
言語 | 平均月額単価 |
---|---|
TypeScript | 98.5万円 |
Python | 98.3万円 |
Ruby | 97.5万円 |
Go言語 | 95.0万円 |
これらの言語は、モダンなWebサービスやAI・データ分析、バックエンド開発などで需要が高く、保守性や拡張性の高さから多くの企業で採用が進んでいます。
特に、PythonはAIや機械学習、データ分析領域での活用が進んでおり、TypeScriptやGo言語も新規サービスやリプレイス案件でのニーズが拡大しています。
このように、モダンな開発言語を扱えるフリーランスエンジニアは高単価案件を獲得しやすい状況です。
※参考:IT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」 ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング~2024年の市場動向と2025年の展望~
フリーランスエンジニアは年収1,000万円以上の到達は可能?
IT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」では、月額単価が90万円を越える案件も豊富にあります。
高報酬の案件を獲得すれば、フリーランスエンジニアとして年収1,000万円以上を達成することは十分に可能でしょう。
一方で、高単価案件を獲得するためには、市場価値の高いスキルや経験を有しているかが重要になります。
特に、特定の分野に特化した高度なスキルや経験を有するエンジニアは、高単価の案件を獲得しやすい傾向があります。
例えば、AIや機械学習、ブロックチェーンなどの先端技術に精通しているエンジニアは、高い報酬を得られる可能性が高いでしょう。
また、要件定義や設計などの上流工程を経験しているエンジニアは、プロジェクト全体を俯瞰して推進できるため、高単価で評価される傾向があります。
◯年収1,000万円以上のフリーランスエンジニアの特徴
年収1,000万円以上のフリーランスエンジニアは、90万円以上の案件をコンスタントに受注しているエンジニアです。
特に、機械学習・AIエンジニアはニーズが高く、先ほどご紹介した相場一覧からも単価相場が約120.0万円と高単価であることがわかります。
このようにトレンドに沿ったニーズの高い職種であるほか、特定の領域で数年の実務経験を有しているエンジニアは年収1,000万円以上に到達しやすいでしょう。
◯年収2,000万円以上のフリーランスエンジニアの特徴
年収2,000万円以上のフリーランスエンジニアの場合、まず高単価の案件を受注していることは共通しています。
時には複数の案件を受注して、同時に複数の案件で活動することで高い収入を得ています。
例えば、エンジニアの経験を活かし、単価の高いITコンサルタントの案件に週1〜2日程度参画し、活動日数と条件を最大限活用し年収を上げるケースもあります。
年収2,000万円以上のフリーランスエンジニアは、希少性の非常に高いスキルを持っているため、紹介や直接契約で案件を得ることもあります。
◯年収3,000万円以上のフリーランスエンジニアの特徴
年収3,000万円以上のフリーランスエンジニアになると、業務が開発にとどまらず、企業全体のDX計画を指導する役割やIT戦略を策定する役割などを担っていることが多いです。
資金が豊富な外資系の会社や、大手企業との契約により、高単価案件を獲得するケースもあります。
また、ITエンジニアとしての経験を活かす形で自ら事業を起こし、役員報酬を得たり、オーナーとして収入を得たりするケースもあります。
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IT業界に携わるフリーランスの職種と年収を上げるポイントは
IT業界の仕事とフリーランスの働き方の相性は非常に良く、さまざまな職種でフリーランスとして活躍することが可能です。
以下に職種の一例を紹介します。
ITコンサルタント・データアナリスト
ITコンサルタントとは、企業の経営課題に対してITの面からどのように解決することができるか、事業拡張や売上拡大に向けてどのように動く必要があるのかを設計し、提案する存在です。
同じような存在に、データアナリストなど専門性のある役割もあります。
データアナリストの場合は、主にデータベースを取り扱うエンジニア出身が多く、ビジネスに関する膨大なデータを必要な分だけ抽出し、分析してビジネスや事業の方針・戦略に転換させるのが仕事です。
しかし、ITコンサルタント同様に、経営的な視点も求められ、一口にデータアナリストやデータサイエンティストといっても、業務内容はさまざまです。
経営課題をヒアリングするようなITコンサルタントに近い存在もいれば、機械学習に勤しむエンジニアに近い存在もいます。
- ・今までどのようなプロジェクトに携わってきたのかという実績や経験で評価されやすいため、スキルを磨き経験を積むことで年収を上げやすくする
- ・外資系や大手企業の場合、扱うデータが多いことや複雑なケースがあるため、報酬もあがりやすい傾向にあるため、クライアントや案件を選び、高単価なものを選択する
- ・データアナリストだけではなく、データサイエンティストなどとしても活躍できるようにキャリアアップする
関連記事 ・ITアーキテクトを目指す人必見!必要なスキルや資格、キャリアパスなどを紹介 ・ITコンサルタントになるには?必要なスキルや取得しておくべき資格を紹介 |
エンジニアやプログラマー
エンジニアは、近年需要が増加している職業の一つであり、IT人材の不足により、一般的に年収が高いとされるのがエンジニア職です。
未経験からエンジニアを目指して勉強する人も多くいます。
エンジニアといっても一口にまとめられるものではなく、HTMLやCSS、JavaScriptを用いて、画面やUIUXを設計するフロントエンドエンジニア、ITの基盤であるサーバーやネットワークを取り扱うインフラエンジニア、アプリケーションの設計を行うアプリケーションエンジニア、データベースを取り扱うデータベースエンジニアなどの職種が存在します。
それぞれ仕事内容が異なるため、エンジニアによって専門領域が異なります。
- ・スキルの希少性が高いエンジニアの方が、年収が上がりやすい傾向にあるので、希少性の高いスキルを身に付ける
- ・従来のシステム開発や運用・保守だけでは、案件が少なくなっていくため、Web関連の開発など新しいスキルを身に付ける
関連記事:フリーランスプログラマーになるには?プログラマーの種類や働き方を紹介 |
プロジェクトマネージャー
大規模なシステム開発を行う際には、インフラエンジニアやフロントエンドエンジニア、アプリケーションエンジニアなど、さまざまな専門性を持ったエンジニアが、それぞれ得意領域を担当してシステムを作り上げていくことが多いです。
この際、プロジェクトを率いるリーダーがいないと、システム開発は成り立ちません。
このリーダー的ポジションが、プロジェクトマネージャーです。
プロジェクトマネージャーは、幅広いエンジニアリングに関する知識とプロジェクトをまとめあげるマネジメントスキルが必要とされるため、社内に十分な人材がいないことも多いです。
そのため、フリーランスのプロジェクトマネージャーの需要は大きいです。
- ・マネジメント経験やリーダー経験があると、評価されやすく、報酬にも反映される
- ・プロジェクトマネージャー向けの資格を取得することでスキルをアピールする
関連記事:プロジェクトマネージャー(PM)にオススメの資格5選!必要なスキル・年収なども紹介 |
Webコーダー、Webデザイナー
Webコーダーは、主にHTMLやCSSなどのマークアップ言語を用いたコーディングを行います。
フロントエンドエンジニアの補佐、といった立ち位置です。
場合によってはJavaScriptによるプログラミングを含む作業を行う場合もあります。
Webデザイナーは、Photoshopなどを使ってWebサイトのデザインを手がける職業です。
基本的にはデザインが仕事であるため、実際のコーディングはコーダーが行うことが多いですが、実際にコーディングまでできるエンジニア兼Webデザイナーのようなフリーランスも多いです。
- ・デザインのみができるのか、デザインとコーディングができるのか、自身が持っているスキルの幅の広さによって、収入が変動する。
今持っているスキルに付随して必要とされやすいスキルを身に付けることで、年収を上げやすい。 - ・企業としても、依頼する工数や支払う報酬だけでなく、コミュニケーションコストなどの観点から、技術面以外にも複数のスキルを持っている人が重宝されやすい
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フリーランスエンジニアの年収に考慮される項目は?
IT業界で働くフリーランスの職種や年収を上げるポイントをみてきましたが、ここでは、フリーランスエンジニアが年間を通して稼げる金額について、どのような要因で決まるのかを紹介します。
フリーランスエンジニアの年収を決める要因としては、環境と実力に大別されます。
年齢
年齢や経験年数は、フリーランスの場合でも考慮されます。
実力を測る指標の一つとして、年齢や経験年数などの要素は加味されています。
しかし、50代を過ぎると年収が下がることがあります。
これは、50歳までの経験により、技術面などでの柔軟な対応が難しくなる可能性があることや、エンジニアとして50代が求められる案件が少ないことが考えられます。
スキルや実績
当然ながら、スキルや実績が数多くあるエンジニアの方が、収入増加の可能性が高いでしょう。
難易度の高い業務を任せることができるエンジニアや、対応できる幅が広いエンジニアなどを求める企業は多く、エンジニアとしての市場価値も高いといえるためです。
特定のプロジェクトに携わった経験や、言語を扱った実務経験が何年あるかどうかで評価が変わる傾向があります。
実務経験3年以上から応募可能といった案件も多く、そもそも既定の実務経験がないと、案件獲得すら難しく収入に影響する場合もあるでしょう。
担当企業の業界・業種・分野
担当する業界や分野によっても収入は変化します。
同じような仕事内容でも、担当企業の業種・業界・規模・業績・将来性など、さまざまな要因や状況によって契約の金額も異なります。
案件に携わる際は、自身のスキルと担当企業の状況を勘案することも必要です。
また、担当企業の資金体力も重要な要素です。
大企業で資金力がある状況なのか、スタートアップ企業で現在資金力はあるものの、途中でプロジェクトが止まってしまう可能性も秘めているのか、事前に確認しておき、将来的に得たい年収と照らし合わせて案件を選ぶことが必要になるでしょう。
商流や手数料など
商流によっては、同様の仕事内容でも、報酬金額が異なる可能性があります。
例えば元請けAか下請けBに仕事を依頼し、その下請けBからフリーランスのエンジニアが仕事を依頼した場合、エンジニアに支払われる金額は、元受けAと下請けBの利益が抜かれた状態の金額です。
一方で元請けAから直接受注した場合、その分フリーランスのエンジニアの報酬金額は上がるでしょう。
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
今よりも年収を上げるための行動
フリーランスとして独立する
まず、現在会社員として働いている場合には、フリーランスとして独立すると年収を上げられる可能性があります。
エンジニアとして会社に勤めていると、実力がある場合でも、日本企業の年功序列制度や社風により、収入が上がりにくいケースもあることでしょう。
一方で、フリーランスであれば、年齢関係なく実力さえあれば収入を得ることができます。
また、企業に属していると、オフィス代や人材の採用代など、企業全体での出費がかさみます。
支出が増えることにより、年収に上限が生じてしまうこともあるかもしれません。
フリーランスとして独立した方が、収入についても個人的な交渉が可能な場合もあるため、年収が増えることも期待できます。
関連記事:フリーランスエンジニアがよくしている案件獲得に向けた営業のコツ・注意点は? |
エージェントを利用する
既にフリーランスのエンジニアとして活躍している人が年収を上げていくためには、エージェントの活用も適しています。
年収を上げるには、案件の数を増やすということが最短ルートです。
しかし、一件一件自分で営業していては、非常に工数がかかります。
そこで、より多くの案件を余分な工数をかけずに見つけることができるのがエージェントです。
エージェントを活用することで、高単価な案件や自分にあった案件とのマッチングが可能です。
さらに、契約締結後のフォローまでを行うエージェントも存在しますので、自分の工数が削減できるだけではなく、長期的に契約できる案件と出会うことができます。
関連記事:フリーランスエンジニアの案件の選び方や獲得の仕方、エージェントの活用方法とは |
単価交渉の方法を身に付ける
ある程度の案件数を担保でき、自分がフリーランスとしてこなせる案件数の目標数や限界数を迎えてきた場合、さらに年収を上げるには、単価を上げる方法があります。
その場合は、フリーランスとして企業に直接交渉を行っていく必要があります。
単価交渉にはさまざまなコツがありますが、一番は交渉をした経験がものを言います。
単価を交渉していき、年収をアップさせていきましょう。
しかし、妥当ではない単価交渉を行い過ぎると、契約終了要因にもなり兼ねません。
その点には留意し、しつこく交渉を行うことは避けるようにしましょう。
関連記事:フリーランスエンジニアがスムーズに単価交渉を行うには? 失敗例も含めタイミングとコツを紹介 |
HiPro Tech 会員のみ公開案件も多数。
まとめ
フリーランスのエンジニアとして収入を上げていくためには、エンジニアとしての実力を身につけていくことはもちろん重要ですが、単価の高い案件、自分に合った案件を効率良く獲得する、という観点も必要です。
当社が運営するIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」では、高単価な案件を多数掲載しているだけでなく、案件獲得に向けたフォロー体制も充実しています。
そのため、効率的に案件を獲得できる可能性を高めることができます。
また、コンサルティング案件やアプリケーション開発、WEBデザインなど、さまざまな案件を扱っています。
これまでより難易度の高い案件を獲得することで、スキルアップだけでなく、年収アップを叶えることも、当サービスサービスを利用することで実現できるでしょう。
ぜひ、登録してみてはいかがでしょうか。
記事監修

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。