クラウドエンジニアの年収相場は?年収を上げるためのロードマップを解説
サーバーエンジニアやネットワークエンジニアといった、オンプレミスのインフラを扱うエンジニアは、トラブル対応の際には時間を問わず現地での作業を強いられることがあります。
また、復旧作業の際は、真冬に屋外での作業が必要な場合もあるため、きついという声も多いです。
一方で、オフィスにいながらインフラの構築や運用を行えるクラウドエンジニアはニーズも高く、人手不足から好待遇のケースも多くなっています。
そこで今回はクラウドエンジニアへの転向・転職や、クラウドエンジニアとして年収を高めるための方法、ロードマップについて解説します。
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クラウドエンジニアの年収相場
クラウドエンジニア全体の年収相場は、400万円〜800万円程度であると考えられます。
特にAWSやAzure、GCPなどのクラウド技術は企業のITインフラの中核となっており、専門性の高さや人材の希少性から年収が高く設定されやすい傾向にあります。
大手企業や特にニーズの高い企業の場合、年収1,000万円以上の収入が得られることも決して珍しくはありません。
このため、クラウドエンジニアは他のITエンジニアと比較しても年収水準が高く、今後も需要とともに高い年収が見込まれる職種です。
AWS、Azure、GCPなど主要なクラウド技術を扱うエンジニアの年収相場をそれぞれ解説します。
AWSエンジニアの年収相場
AWSエンジニアの年収相場は、約400〜600万円程度といわれています。
転職サービス「doda」に2025年7月時点で掲載されている求人では、クラウドアプリケーションの未経験歓迎の開発で、20代で400万円、30歳前後のリーダー職で600万円といったものもあります。
2025年7月時点のデータでは、AWSエンジニアの求人の中に年収1,000万円以上の求人の割合が一定数あります。
このことから、年収1,000万円以上も十分に狙えるといえるでしょう。
AWSエンジニアは市場価値が高く、他のIT職種と比べても高収入を得やすい職種といえるでしょう。
※参考:転職サービス「doda」 AWSエンジニア の転職・求人検索結果(※2025年7月時点)
関連記事:AWSエンジニアの年収は?おすすめの資格や仕事内容、将来性などを解説 |
Azureエンジニアの年収相場
Azureエンジニアの年収相場は、正社員の場合400万円〜800万円前後が中心です。
転職サービス「doda」2025年7月のデータでは、Azureエンジニアの求人中に一定数、年収1,000万円以上の求人がありました。
例えば、AI活用を得意とするベンチャー企業では、1年目で月給40万円、3年目で60万円、5年目で90万円のモデル給与が提示されています。
クラウド技術やAzure認定資格の取得、上流工程への参画などで年収アップも期待できるでしょう。
※参考:転職サービス「doda」 Azureエンジニア の転職・求人検索結果(※2025年7月時点)
関連記事:Azureエンジニアの年収相場は?年収を上げる5つの方法も解説 |
GCPエンジニアの年収相場
GCPエンジニアの年収相場は、正社員の場合500万円〜800万円程度が中心です。
スキルや経験によっては1,000万円以上の求人も見られ、上流工程やマネジメント経験がある場合はさらに高収入が期待できるでしょう。
例えば、クラウド専門のSIer企業の求人では、クラウド関連のプロジェクトの経験やインフラの開発経験を持つ方に、500万円〜800万円の年収が提示されています。
GCPエンジニアはクラウド分野の需要拡大により、今後も高い年収水準が維持されると考えられます。
※参考:転職サービス「doda」 GCPエンジニア の転職・求人検索結果(※2025年7月時点)
フリーランスのクラウドエンジニアの年収、単価相場
フリーランスのクラウドエンジニアの単価相場は、月額単価で約91.6万円となっており、年収換算では約1,100万円前後が目安です。
経験やスキル、プロジェクト規模によっては月額100万円を越える高単価案件も存在し、特に上流工程やPM、コンサルティング業務を担う場合はさらに高収入が期待できるでしょう。
クラウド技術の需要が拡大しているため、今後も高水準の単価が維持される見込みです。
※参考:フリーランスITエンジニア向けエージェントサービス「HiProTech」 ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング~2024年の市場動向と2025年の展望~
関連記事:ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング~2024年の市場動向と2025年の展望~ |
クラウドエンジニアの年収が高い理由
クラウドでのインフラ構築はオンプレミスのインフラ構築と違い、機器の調達やマウンティングなどの物理的な作業が発生しません。
また、データセンターなどへの移動などもないため生産性が高く、短期でのインフラ構築が可能といった特徴があります。
また、クラウドの多くは従量課金で、システム設計や運用の仕方によって費用の最適化もしやすいです。
そのため、クラウドを導入することで企業はコストカットしやすくなります。
つまり、クラウドを構築できるクラウドエンジニアは、企業のコストダウンにも貢献しやすいといえるでしょう。
他のエンジニアと比較すると、企業の業績へ直接的に貢献しやすいことが高年収に繋がりやすいと考えられます。
クラウドエンジニアで年収1,000万円は可能?
クラウドエンジニアが年収1,000万円を達成することは十分に可能でしょう。
近年、AWSやAzure、GCPなどのクラウドサービスの需要が急速に拡大し、クラウドエンジニアの市場価値が高まっています。
特に5年以上の実務経験や、設計・構築などの上流工程、マネジメントスキル、IaCやコンテナ技術などの高度なスキルを持つエンジニアは、高収入を得やすい傾向があります。
また、フリーランスとして独立すれば、月単価80万円〜100万円を越える案件にも参画できるので、年収1,000万円を超えることは珍しくありません。
一方で、正社員でも大手企業や専門性の高い職種、マネジメント職であれば1,000万円以上を狙える可能性があります。
今後もクラウド市場の拡大が見込まれており、スキルと経験を積めば年収1,000万円は現実的な目標でしょう。

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年収の高いクラウドエンジニアを目指すロードマップ
年収の高いクラウドエンジニアになるためには、どのようにスキルアップ、キャリアアップを考えていけば良いのでしょうか。
高年収のクラウドエンジニアを目指す方に向けて、ロードマップの一例を紹介します。
これからクラウドエンジニアを目指す人や、今後収入を高めていきたいクラウドエンジニアの人は、参考にしてみてください。
ITインフラの基本を習得する
ITインフラの基本的な知識として、ネットワーク・サーバーについて学ぶことは、オンプレミスでもクラウドでも同様に大切です。
「シスコ技術者認定」や「Linux技術者認定資格(LinuC)」などインフラエンジニアが取得する代表的な資格を学習しておくと、クラウドでのインフラ構築もイメージしやすくなるでしょう。
また、「基本情報技術者試験(FE)」も、システム開発をはじめとしたITに関して広い知識が身に付くためおすすめの資格です。
クラウド技術を習得する
ITインフラの基本がある程度身に付いたら、次はクラウド関連のスキルを磨いていきましょう。
国内のクラウドインフラでは「AWS(Amazon Web Services)」「Azure(Microsoft Azure)」「GCP(Google Cloud Platform)」の3つが高いシェアを占めています。
これらのプラットフォームや、プラットフォーム内で提供されるさまざまなサービスについて理解を深め、実際に設計や構築なども行ってみましょう。
まずは業務で扱うことの多いプラットフォームから学んでいくと、業務にも良い影響が表れやすいです。
それぞれのプラットフォームでは、クラウドの技術・知識を認定するための資格も提供しています。
「AWS認定」「Microsoft認定資格(Microsoft Azure)」「Google Cloud認定資格」はそれぞれ、レベル別、専門分野別に資格試験が用意されているため、順を追ってチャレンジすると良いでしょう。
必要な試験の種類も多く資格を得るまでの学習も大変ですが、資格取得によってエンジニアとしての評価を高めることにも繋がるでしょう。
企業によっては、資格取得によって手当が出たり、等級が上がったりするケースもあるため、資格取得は積極的に挑戦することをおすすめします。
関連記事: ・クラウドエンジニアに必要な資格とは?難易度別に詳しく解説 ・クラウドエンジニアにおすすめの資格10選とスキルアップの重要性 |
変化するビジネス市場のニーズに対応する
高年収のエンジニアを目指すなら、ITの知識やスキルだけでなく、変化するビジネス市場のニーズへの対応も大切です。
開発と運用が連携・協力するDevOpsや、最小の構成でサービス公開を目指すリーンスタートアップなどのニーズを理解し、クラウド技術で貢献できればエンジニアとしての評価も高まるでしょう。
また、クラウドではインフラの設定やテストなどもプログラムで自動化できる場合があります。
業務効率化をするということは、どの現場でも重宝されるでしょう。
将来的に独立やキャリアアップを目指すのであれば、ビジネスの視点をもって業務することは非常に大切です。
スキルを活かし、業務の中で積極的に改善や提案を行っていきましょう。
キャリアパスの方向性を定めて専門性を高める
高年収のエンジニアは技術だけでなく、さまざまな分野で企業の利益に貢献しています。
クラウド技術のスペシャリストを目指すだけでなく、チームを組織してプロジェクトを動かすプロジェクトマネージャー、クラウド活用やシステム設計に携わるコンサルタントなど、さまざまなキャリアパスが考えられます。
自身の技術や適性などを踏まえキャリアパスを考え、スキルの専門性を高めていけると良いです。
しっかりとした技術があれば、社内での昇進昇格だけでなく、転職やフリーランスとしての独立も選択肢に入れて考えることができます。
フリーランスとして活動する
高収入を目指すなら、フリーランスとして独立するのも有効な選択肢です。
フリーランスのクラウドエンジニアは月額80万円〜100万円を超える案件も多く、前述の通り年収1,000万円以上を十分に狙えるでしょう。
フリーランスとして成功するには、数年にわたる実務経験や上流工程のスキル、顧客との信頼関係構築が重要です。
クラウドエンジニアとして専門性を高めたのちに、フリーランスとしての案件を獲得するとよいでしょう。
また、AWSやAzure、GCPの上級資格や、IaC・コンテナ技術などの専門性をアピールすることで、高単価案件の獲得につながりやすくなります。
さらに、金融やゲーム業界など専門性の高い分野で実績を積むことで、より高い報酬を得やすくなるでしょう。
関連記事:クラウドエンジニア向けの案件とは?クラウドの種類や必要なスキルを紹介 |
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クラウドエンジニアは未経験からでもなれる?
クラウドエンジニアは未経験からでも目指すことが可能でしょう。
まずは、クラウドサービスの基礎知識やサーバー・ネットワークの基本、プログラミングスキルなどを独学やオンライン講座、専門学校などで学びましょう。
書籍や動画、学習サイトを活用すれば、自分のペースで学習できます。
また、クラウドに関する資格を取得すれば、転職時のアピールにもなります。未経験者向けの求人も増えており、学習と実践を積み重ねれば十分にクラウドエンジニアとして活躍できる可能性があります。
クラウドエンジニアの仕事内容は、大きく分けるとクラウドインフラの設計・構築・運用です。
オンプレミスと同様のことをクラウドで行いますが、クラウドのプラットフォームやサービスによって、さまざまな技術が求められます。
- 設計:クラウド上のサーバーやネットワーク、外部サービスとの接続を設計
- 構築:仕様書をもとにシステムを構築、サービスの実装 ・運用:構築されたシステムの保守、モニタリング、最適化、トラブル対応
詳細については、以下の記事を参考にしてみましょう。
関連記事:クラウドエンジニアになるには?必要なスキルや資格、勉強方法などを紹介 |
クラウドエンジニアは「きつい」?
クラウドエンジニアのはたらき方を「きつい」と表現する人もいます。
実際のところ、「きつい」という感覚は人それぞれであり、定量的に説明できるものではありません。
クラウドエンジニアをはじめとするエンジニアが、例えば休日出勤が多く、残業が多いのかなどを示す公的データは存在しないため、実態はわからないものとなっています。
しかしながら、クラウドエンジニアは、管理するシステムによっては、24時間の確認が必要になることや、システムの活用に影響を与えないように深夜に業務を行わないといけないケースもあるため、そのような場合には「きつい」と感じる人がいます。
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他のインフラエンジニア職種との違い
クラウドエンジニアは、クラウド上でITシステムの設計・構築・運用に携わります。
類似する他のインフラエンジニアは、基本的にオンプレミスのITシステムが対象となっています。
以下でそれぞれの職種と対象としているもの、仕事内容を説明しています。
職種名 | 対象 | 仕事内容 |
クラウドエンジニア | クラウド | サーバー、ネットワーク、ソフト(サービス)を扱う |
サーバーエンジニア | オンプレミス | サーバーやミドルウェアを扱う |
ネットワークエンジニア | オンプレミス | ネットワークを扱う |
実際の現場では、職種によって業務の定まりはなく、ITインフラに関わるさまざまな業務を行うケースも見られます。
関連記事: ・サーバーサイドエンジニアになるには?必要なスキルや勉強法、年収を紹介 ・インフラエンジニアとは?年収・スキルや資格、メリット・デメリットも解説 |
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フリーランスになるならフリーランスエージェントを活用しよう
クラウドエンジニアとして、十分なスキルや経験を積むことができれば、前述の通りフリーランスのクラウドエンジニアとして活動することもできます。
しかし、この場合は案件獲得が大きな課題となります。
フリーランスとして独立をすると自分自身で案件を獲得することになりますが、エンジニアとしてキャリアを歩んでいた人の場合、営業を行うことが苦手という人は少なくありません。
そのような時には、フリーランスエージェントを活用することがおすすめです。
IT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」なら、専門コンサルタントのサポートにより希望する条件の案件を獲得しやすくなっています。
オンプレミスからのクラウド移行に関する案件や、AWS、GCP、Azureなど複数のクラウドサービスを扱う案件、クラウド構築プロジェクトのマネジメントを行う案件など多岐にわたる案件を保有しています。
また、フリーランスエンジニアと企業が直接契約できることも特徴としています。
クラウド技術のスキルアップや実績作りのためにフリーランスに挑戦したいという人は、ぜひ一度登録してみてはいかがでしょうか。
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記事監修

2006年に株式会社インテリジェンス(パーソルキャリア株式会社)へに入社。 アルバイト領域の法人営業や新規求人広告サービスの立ち上げ、転職サービス「doda」の求人広告営業のゼネラルマネジャーを歴任。 2021年11月からIT・テクノロジー領域特化型エージェントサービス「HiPro Tech」に携わり、現在サービス責任者を務める。 「一人ひとりが求めるはたらき方や案件との出会いを増やし、キャリアをデザインできるインフラを提供する」ことを自らのミッションとして掲げ、サービス運営を行う。